広島ドラ1・森下 笑顔で俺流“二刀流仕上げ”ブルペン入らず野手練習から土台作り

[ 2020年1月9日 05:30 ]

ダッシュする広島・森下(撮影・奥 調)
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 広島の新人合同自主トレが8日に広島県廿日市市内の大野練習場で始まり、ドラフト1位・森下暢仁投手(22=明大)は独自の“二刀流仕上げ”で1軍内定の春季キャンプに備える考えを明かした。1月中のブルペン入りを極力控え、打撃や守備など野手的な練習で負荷をかけていく予定。元内野手ならではのマイペース調整をプロでも思い描いた。

 森下は既に独自の調整法を身につけていた。新人合同自主トレ初日は約40メートルのキャッチボールや内野ノックなどをこなし、午後からは球団トレーナー指導のもとでウエートトレの研修を受けた。ランニングでは先頭に立ち、ときおり笑顔を見せるなど雰囲気づくりも忘れなかった。「硬くなってもプラスにならない。笑顔でやった方がいいと思っています」。芯の通った考え方は、今後の練習内容にも表れそうだ。

 新人投手は合同自主トレ期間に複数回ブルペン入りしてキャンプへ仕上げるのが一般的だが、森下はひと味違う。「(ブルペン入りの時期を)全然考えていない」と1月中の投球練習を極力控える考えを明かした。

 「ブルペンでガンガン投げていくタイプではない。球を投げるよりはトレーニングをした方が力もつくので、キャッチボールだけでも十分かな…と」

 独自のマイペース調整には、ポジション遍歴が関係している。「元々は内野手。他の練習で投げることが多くて、ブルペンで投げる必要がない…という感覚がいつの間にかありました」。大東中軟式野球部では投手兼遊撃手として全国大会に出場し、大分商ではエースながら主に3番。打者としても重宝されたことで、野手練習に入りながら調整する“二刀流仕上げ”が習慣として身についた。

 「内野ノックで低い球を投げたり、打撃練習で体の使い方を意識してきた。投手のことだけをしないといけないわけではない。フィールディングにつなげるためにも、いろんなことをやりたい」

 入寮した大野寮は練習場と隣接し、全体練習後に個別に打撃練習を追加することも可能だ。「打撃から投球につなげられることもある。できるのであれば(打撃練習も)やりたいな…と思います」と思い描いた。春季キャンプは1軍スタートが決定的。「焦っても仕方ない。自分のやりたいことをやろうと思っています」。野手練習から土台づくりを進めようとする理論派の一面も、森下の魅力である。(河合 洋介)

 ○…ドラフト5位・石原貴(天理大)は新人バッテリー形成を目標に掲げた。新人合同自主トレで森下とキャッチボール。入寮後の前夜も一緒に練習したことを明かし、「素直にいい投手だな…と思いました。回転数が多くて伸びてくる」と驚いた。新人同士の先発バッテリーなら、球団では2000年の河内―木村一以来20年ぶり。「なるべく早く1軍に上がって(森下と)2人でチームの戦力になりたい」と意気込んだ。

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