広島・高橋大、待望プロ1号 1番でも“らしさ”全開 21球中15球スイング

[ 2019年6月29日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3―13DeNA ( 2019年6月28日    横浜 )

3回無死、左越えソロを放つ高橋大(撮影・島崎忠彦)
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 広島・高橋大樹外野手(25)が28日のDeNA戦で7年目にして待望のプロ1号を放った。試合は3―13で大敗し14年に始まった交流戦明け初戦の連勝が5で止まる中、同点の3回に難敵・今永から左翼へ一時勝ち越しのソロアーチを運んだ。

 偉大な大先輩も、空の上から喜んだに違いない。プロ初の1番抜てきに「僕が一番ビックリした」と目を丸くしながらも、高橋大が7年目で待望のプロ1号。大敗の中で、明日につながる確かな光をともしてみせた。

 「追い込まれていたので、必死に食らいついた。自分のスイングでしっかり捉えることはできたけど、入るとは思いませんでした」

 同点で迎えた3回の先頭打者。カウント1―2からの4球目、真ん中高めの148キロ直球を振り抜くと、打球は赤ヘル党で埋まる左翼最前列に着弾した。難敵・今永に見舞った勝ち越し弾に、自軍ベンチは大きく沸いた。

 「普通の1番とは違うかもしれない。初球から全部振っていくので。でも、それがやってきたことなので」

 全3球をスイングした初回から“らしさ”全開だった。5回の第3打席も11球中7球をファウルし、最後は四球。7回までの21球で実に15球を振った。迎打撃コーチは「アイツが振ることで後ろの打者も感覚をつかめる。チームに勢いをもたらすスイングをしてくれた」と目を細めた。

 「忍耐」と書かれた色紙を自室に飾る。新人入寮を控えた13年1月7日、母校・龍谷大平安の大先輩にあたる故衣笠祥雄氏と会食した際、贈られたもの。「プロとして何が大切か…を教えて頂きました」。以来、鉄人の教えを忠実に守り、必死に汗を流してきた。苦節7年目に、衣笠氏がよく解説に訪れた横浜でプロ1号が生まれる縁。高橋大は「見てくれていると思います」とし、夜空を見上げた。

 「ストライクを振るのが彼の持ち味。迷いのない、思い切りのいいスイングをしてくれている」。緒方監督は記念すべき1歩を刻んだ高橋大を称えた。鈴木と同期の12年ドラフト1位で、西川とも同学年にあたる次代の中軸候補。25歳の持つ振る力が、チームを再び上昇気流に乗せる。(江尾 卓也)

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2019年6月29日のニュース