MLB欧州開催に鼻息荒い関係者 NFLロンドン・シリーズ成功が後押し

[ 2019年6月29日 09:00 ]

レッドソックスVSヤンキース戦が行われるロンドン競技場(AP)
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 【欧州初上陸 MLB in London(上)】大リーグ機構(MLB)関係者には、待ちに待ったロンドン開催となる。未開拓の地・欧州。後押ししたのは、米4大プロスポーツの一角であるNFLのロンドン・シリーズ成功だ。

 NFLは07年から毎年ロンドン公式戦を開催。サッカーの聖地ウェンブリー・スタジアムが毎回8万人を超す大盛況に。人気が過熱し当初の1試合から、今年は4試合まで増やした。同地でのスーパーボウル開催まで議論されるほど。今年4月にNFLビルズに入団したラグビー元イングランド代表クリスチャン・ウェイドら、ラグビーからの転向組も生んでいる。

 ラグビーが主流の英国で、似たアメリカンフットボールはマイナー競技だった。当初は開催に懐疑的な目も多かったという。野球英国代表のリアム・キャロル監督は「英国にはクリケットがある。似た状況と思わないか?」と話す。クリケットもバットとボールを用いた競技。野球普及への土壌はあるとみる。

 MLBは欧州各地にコーチを派遣。アリゾナ秋季リーグに欧州代表チームを出場させるなど、普及活動を続けてきた。既に来年はカブス―カージナルス戦をロンドンで行うことが決定済み。ロブ・マンフレッド・コミッショナーは「野球を英国、できれば欧州全体へと広げたい」と声を強くする。野球不毛ともいわれた大陸への上陸へ、かつてないほど鼻息は荒い。(大リーグ取材班)

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2019年6月29日のニュース