大谷2年連続10号 日本人5人目 エ軍首脳陣「左のトラウトのよう」

[ 2019年6月29日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス8―3アスレチックス ( 2019年6月27日    アナハイム )

<エンゼルス・アスレチックス>3回、10号2ランを放った大谷(AP)
Photo By AP

 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が27日(日本時間28日)、アスレチックス戦の3回1死一塁から左中間へ10号2ラン。日本選手では5人目で、最年少でのメジャーデビューから2年連続2桁本塁打を達成した。6月は自己最多タイの月間7本塁打とするなど量産。04年のヤンキース・松井秀喜がマークした日本選手最多の31本塁打超えに期待が懸かる。

 膝元に落ちるシンカー(ツーシーム)を完璧に捉えた。お手本のようなインサイドアウトのスイング。低空飛行で伸びた大谷のライナーが左中間フェンスを越えた。2―1の3回に10号2ラン。本人も納得の一打だった。

 「厳しいボールでしたけど、良いアプローチができた。いい感じで打てたので、入るかなと思いました」

 初回。シンカーが決め球の右腕アンダーソンに、内角低め93マイル(約150キロ)のこの球種で見逃し三振を奪われた。本塁打したのは、1―1からの同じ内角低めへの92マイル(約148キロ)のシンカー。「1打席目よりほんの少し、1個か2個分、高いくらい」。体に近いボールゾーンから落ちる軌道に、奇麗にバットを入れた。

 動作解析システム「スタットキャスト」のゾーン別データでは、昨年はボール球も含め4本塁打が低めを打ったものだったが、今季は1本目。「引っ張ってもいいし、センター方向に打ってもいいのかなと思う」と振り返ったアーチは、低めをゴロにすることが多かった中で、状態が上がってきた証といえる。他の3打席は微妙な判定にも泣かされ、全て三振。6回は見逃し三振の判定に手を振り、珍しく何度もボールとアピールした。

 2年目の成長。ショーン・ウッテン打撃コーチ補佐は「相手が対策を練ってきても、それに対して調整できる」と語る。時間さえあればベンチ裏で昨季と今季の自身の映像を一つの画面で比較して分析。遠征先でもタブレット端末などを駆使する。同補佐は「トラウトはストライクゾーンの見極めがうまい。大谷もどんな球が安打になるかを理解するごとに打撃が良くなり、左打者のトラウトのようだ」と評した。

 昨年9月と並ぶ月間最多の7発目とし、昨年よりも14試合早い出場44試合目で10号に到達した大谷。日本選手で5人目、最年少となる連続2桁本塁打にも「まだ2年目なので特に意識することなく、一本一本丁寧にいきたいなと思っています」と冷静だ。進化とともに深める手応えを、残り80試合にぶつける。

続きを表示

この記事のフォト

2019年6月29日のニュース