阪神・球児、球宴までノンストップ0封 生涯防御率1点台へ8回2/3

[ 2019年6月29日 05:40 ]

キャッチボールを行う藤川(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 阪神は29日の中日戦(ナゴヤドーム)でリーグ戦を再開する。首位・巨人を3・5ゲーム差で追い、球宴までの残り11試合で貯金量産を狙う矢野阪神の鍵を握る一人が藤川だ。甲子園での全体練習に参加したベテラン右腕は独特の表現で“開幕”への自身のスタンスを口にした。

 「ジョンソンも帰ってきて(球宴まで)11試合。チームは分からないけど、僕はちょっと様子を見て戦っていきたいなと」

 蓄積疲労で再調整していたジョンソンが復帰するが、首脳陣は3連投などには慎重姿勢で、好調な藤川が8回を任されるパターンも考えられる。ある意味、継投も手探りな中で自身は広い視野でチーム全体を見渡し、与えられた役割に徹する。

 「もう1回、同一リーグに戻るので、そういう意味では交流戦で数字を落とした選手は違った気持ちで入ってきてるし、そこは毎年、冷静に見ないとつまずく」。交流戦からリーグ戦へと移る「節目」は経験則からチーム全体、個人の「流れ」が急変することもあり得る。だからこそ、慎重に、様子を見る。

 4月上旬に2軍再調整となって再昇格を果たしたのが、ナゴヤドームで行われた同27日の中日戦で、以降は18試合連続無失点をマーク。くしくもリーグ戦再開も同じ敵地のマウンドとあって“地の利”を生かしての快投再現にも期待がかかる。

 金村投手コーチは「(藤川は)元気やし、コンディションが良い。(フル回転も)勝ってたらあるし、大型連勝という形になれば」と僅差リードの展開であれば、迷いなく投入していく方針を示唆。矢野監督も「中日もピッチャーの状態が良さそう。ボコボコ打ってという試合にはしたいけど。なかなか、そうなりにくいかな。気持ちで接戦を取っていけるような形にできていければ」と藤川を始めとした鉄壁のリリーフ陣を武器に、白星をもぎ取っていく考えだ。

 ベテラン右腕が再スタートを切る上で、大きなモチベーションとなるのが、こだわり続ける生涯防御率だ。現在、NPB通算は2・01で、今後8回2/3連続無失点なら1点台に突入する計算になる。

 「(防御率の)そこの数字は興味はあるんで。もともと目指しているところ。8回2/3を抑えても、そこから続くからおもしろい。その駆け引きができるのがおもしろい」

 “究極の目標”も通過点に他ならない。上昇曲線を描いたままシーズンを戦い抜く。(遠藤 礼)

 ≪難しい救援投手の防御率1点台≫藤川(神)は目下NPB通算防御率2・01(893回2/3、自責点200)。あと8回2/3を連続自責点0に抑えれば、16年9月2日以来3年ぶりの防御率1点台復帰となる。NPBの通算防御率(投球回2000以上)で1点台は
藤本英雄(巨人)1・90
野口二郎(阪急)1・96
稲尾和久(西鉄)1・98
若林忠志(毎日)1・99
の4人。通算737登板中、718試合が救援登板の藤川の投球回は規定の半分にも満たないが、救援登板500試合以上の投手20人の中では藤川が防御率トップ。対象を400試合以上に広げても、藤川を上回るのはサファテ(ソ)1・57と前出の稲尾1・98の2人だけ。少ないイニングの勝負で失点が大きく影響する救援投手の防御率1点台の困難さがわかる。

続きを表示

2019年6月29日のニュース