小宮山早大 サヨナラ発進!9回円陣「とんでもない記事に」で発奮

[ 2019年3月6日 05:30 ]

練習試合   早大1―0Honda鈴鹿 ( 2019年3月5日    浦添 )

<早大・Honda鈴鹿>9回の攻撃前に円陣で選手に声をかける小宮山監督(撮影・沢田 明徳)
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 新生早稲田がサヨナラ発進だ。小宮山悟新監督(53)が就任した早大が5日、キャンプ中の沖縄・浦添で初めての対外試合となるHonda鈴鹿戦に臨んだ。0―0で迎えた9回1死三塁から、4番・加藤雅樹外野手(4年)の左前打でサヨナラ勝ち。6シーズン優勝から遠ざかる名門の再建を託された指揮官の初陣を飾った。またこの日、東京六大学野球の春季リーグ日程が発表された。

 最初の「小宮山マジック」だった。0―0の9回。円陣で新指揮官がつぶやく。「引き分けで終わったらただの記事だ。その代わりこれがサヨナラで勝ったら、とんでもない記事になるから頑張れ」。「ウオー」と声を上げたナインがもぎ取ったサヨナラ勝利が、小宮山早稲田の初勝利になった。

 今季初の対外試合。最後の一言が、初陣勝利に直結した。先頭の米田が右前打し、代走・丸山が二盗。暴投などで1死三塁とし、4番で主将の加藤が三遊間を破った。小宮山監督は「しんどい試合展開で、最後の最後、言葉の持つ力ってやっぱり凄いなと痛感しましたよ」と振り返った。

 1月1日付で第20代監督に就任。6季優勝がない名門復活を託された。母校のユニホームでの指揮は初めて。試合での選手の動きには「物足りなさが残る」と厳しさも忘れなかったが、それだけではなかった。殊勲打の加藤は「監督さんは選手を信じてくれるし、自分たちで考えてくれと委ねてくれる」と明かした。小宮山監督は「大人扱いしないといけない」と選手自身で考えて行動することを待ち、社会人として成長する力を育てることが早大復活につながると信じている。

 リーグ戦開幕まであと1カ月弱。「準備万端整いましたということはないと思っている。戦っているうちに熟成して、最終週の早慶戦までにある程度の形をつくれればと思っている」。小宮山監督の戦いは始まったばかりだ。(春川 英樹)

 《昨年現役引退の浩康新コーチ、選手寄り添う》ヤクルト、DeNAで活躍し、昨季限りで現役引退した田中浩康コーチも、スタンドから今季初勝利を見守った。2月上旬から指導を始め、同28日からのキャンプに同行。ノックなどを打つ傍ら、選手の輪に加わり身ぶり手ぶりで助言を行う。「選手と同じ目線に立って、一緒に考えていく感じで楽しい」と選手に寄り添ってチーム強化に当たる。

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