“名将”聖光学院・斎藤監督が目指すもの 甲子園連続出場記録への「重圧はない」

[ 2018年8月31日 11:30 ]

12年連続15度目の甲子園出場を決め22度宙を舞う斎藤智也監督
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 今夏の甲子園は、100回の記念大会にふさわしい盛り上がりをみせた。惜しくも優勝こそ逃したが、秋田代表の金足農の快進撃は日本中に驚きと感動を与えた。一方で、圧倒的な強さを見せつけた大阪桐蔭の戦いぶりは見事だった。記念大会で史上初となる2度目の初夏連覇。優勝候補の本命というプレッシャーをはねのけた精神力には感服するばかりだ。

 重圧との戦い――。これに打ち勝つことは容易なことではない。福島県代表の聖光学院は、戦後最長となる県大会12連覇を達成して記念大会の聖地にたどり着いた。斎藤智也監督は99年の就任後、春夏合わせて20回(春5回、夏15回)の甲子園出場に導く名将だ。今夏は初戦で報徳学園(東兵庫)に2―3で惜敗したが、素晴らしいゲームだった。

 斎藤監督に「連続出場記録に対するプレッシャーはないんですか?」と問うたことろ、間髪入れず笑顔で「まったくないよ」と答え、こう続けた。

 「連覇なんて、いつかは止まるもの。この先ずっと続くわけがないんだから。目指してるのは甲子園出場じゃない。預かっている生徒たちに、俺は3年間で誰よりも正しいことを教えてあげたい。それができればいい」

 同校の斎藤監督と横山博英部長のモットーは「野球を通じた人格形成」であり「人間力の向上が野球技術の向上につながる」というものだ。「頑張ることは凄く大事なんだよ。でもね、できる限り“張らない”方が良い。“威張る”“意地を張る”。どれも“張っている”うちは本物じゃないから」と斎藤監督。戦っている選手たちは、自分たちの世代で連覇を止められないと考えないはずがない。ただ、努力の課程で「甲子園出場」という目標だけにとらわれなくなった瞬間、重圧から解き放たれるのではないだろうか。

 今夏の甲子園の決勝戦。地方大会から一人で投げ抜いてきた金足農のエース・吉田の存在や、大阪桐蔭の圧倒的な強さ故に全国的に「判官びいき」のような空気があった。だが、自分たちの歩みを信じて目の前の戦いに集中した結果、プレッシャーを超越して頂点まで上り詰めたのだろう。夏の甲子園が終わってまだ1週間強。U―18日本代表の戦いが注目されている中、来春のセンバツを懸けた新チームの戦いがもう始まっている。(記者コラム・重光 晋太郎)

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