由伸監督「こちらの責任」…バント失敗、やられっ放し3人にも被弾

[ 2016年10月9日 05:45 ]

セ・リーグCSファーストS第1戦 ( 2016年10月8日    東京D )

<巨・D>5回2死一、三塁、長野は自打球を顔面に受ける
Photo By スポニチ

 心に決めていた。グッと口を結んで敗因を問う質問に耳を傾けていた巨人・高橋監督は3度、同じフレーズを口にした。

 「シーズンと違うので、今日のことをあれこれ言ってもしょうがない」。長嶋終身名誉監督、老川祥一オーナーも観戦する中での痛恨の初戦黒星。崖っ縁を切り抜けるすべは勝利だけと、チームと自身に言い聞かせているようだった。

 新オーダーを組み、より一戦必勝を意識したタクトを振った。今季先発出場全131試合で3番だった首位打者の坂本を1番に上げ、終盤5番を務めた好調の村田を3年ぶりの3番に据えた。「坂本を軸にというのは変わらないし、とにかく坂本が出て得点のチャンスをと」。その坂本は9回のソロを含む3安打1四球と狙い通りの働きをしたが、一方で細かなミスで攻撃は効率を欠いた。

 初回無死一塁、2番・亀井のバントは投手正面で二塁封殺。先制こそしたが井納の立ち上がりを、もうひと押しできなかった。亀井は3回にも同じ場面でバントを2球連続ファウル。強攻に切り替えて中前打したが、攻撃に流れが生まれない。「一番やっちゃいけないことをやってしまった。なんとしても決めなければプロじゃない」とうなだれた。1点を追う8回には、先頭・阿部がチーム初長打の左中間二塁打を放ったが、5番に下がった長野もバントを2球連続ファウルした末に三振。直後に沢村が2失点して試合は決まった。

 開幕前日、バッテリーは左投手、右投手に分かれてDeNA打線対策のミーティングを行ったが、レギュラーシーズンで計24本塁打を許している筒香、ロペス、梶谷の3人にまたしても一発攻勢を浴びた。打順も、采配も手を打ったが「そういったものも、こちらの責任じゃないかな。他に打つ手もあったかもしれない」と全てを背負った指揮官。今こそ、崖っ縁のナインの底力を待つ。 (春川 英樹)

 ▼巨人・沢村(2―3の9回から登板し、ロペスに左越えソロを浴びるなど1回2安打2失点)あそこで無失点だったら、まだ分からなかった。追加点を与えてしまったのが良くなかった。

続きを表示

この記事のフォト

2016年10月9日のニュース