【金本阪神超変革1年目7】誤算と収穫の「日替わり打線」

[ 2016年10月9日 09:00 ]

7月20日、左アキレス腱断裂の大ケガで倒れ込む西岡
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 今季の打線をひと言で表すと、「日替わり」だった。開幕13試合目の4月8日から7月24日まで81試合連続で新しい組み合わせが続いた。以降も同じ並びが2試合続いたのは3度のみで、リーグ最多の126通りは昨季89通りの約1・4倍。12球団全体でもオリックスの128通りに次いで2番目に多かった。

 金本監督の当初の構想は就任早々に「レギュラー」と位置づけた福留、鳥谷、ゴメスに西岡を加えた主力4人を軸に中堅と若手を織り交ぜた打線だった。実際に開幕戦からの12試合で用いられた2種類のオーダーに見て取れる。しかし、軸になるはずの主力の不調が誤算だった。

 4月10日の開幕15試合目にして助っ人不在の国産打線となり、同15日には福留も左太もも裏痛で一時離脱した。6月はゴメスが不調、7月20日には西岡が左アキレス腱断裂で今季絶望、直後の24日には極度の不振だった鳥谷が先発を外れ、歴代4位の連続試合フルイニング出場記録が667試合で止まった。10年ぶりの打率3割復帰で唯一機能した福留も昨季33度あった殊勲安打が今季は19度へ減少。貢献度で見れば劣った。

 今季特定の打順をシーズンの半分(72試合)以上務めたのは103試合で4番だった福留だけ。昨季99試合で1番だった鳥谷に至っては最多の6番31試合のほか4、9番以外の7打順を転々。3~5番の「クリーンアップ」でも昨季は福留、ゴメス、マートンを軸に8人で9通り(守備位置の違いを除く)だったのに対して今季は福留、ゴメスに2年目の江越、1軍デビューの高山、原口が加わり総勢19人で37通りへ増えた。主軸が定まらず、チーム打率・2445で07年以来9年ぶりのリーグ最下位。得点、本塁打は最下位の中日と僅差の5位に甘んじた。

 若手を使わざるを得なかったからこその収穫もあった。ドラ1高山は“超変革組”の筆頭だ。開幕からレギュラーを守り、球団新人最多の136安打。次々と過去の新人記録を発掘していくさまは、13年の藤浪を連想させた。北條は鳥谷に代わって遊撃に定着し105安打を記録。「1番北條」、「3番高山」は8月以降の定番となった。7月31日、原口が育成経験者では史上3人目の4番を打った。福留休養時に起用された5試合で4安打。4番弾はなくても、シーズン11本塁打で長打力も誇示した。入団時期は違っても1軍経験では実質1年目の3人。来季“2年目のジンクス”を乗り越えてこそ本物になる。 (記録担当・桐山 章)

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