トヨタ自動車 元プロの細山田、入社1年目で歓喜 豊田社長も絶賛

[ 2016年7月26日 22:27 ]

<トヨタ自動車・日立製作所>初優勝を果たし喜びを爆発させるトヨタ自動車ナイン

第87回都市対抗野球決勝 トヨタ自動車4―0日立製作所

(7月26日 東京D)
 もう何年もチームにいるように溶け込んでいる。全試合でマスクを被り、トヨタ自動車投手陣をリードした細山田。ソフトバンクを解雇され、昨年12月に入社。初の社会人野球に飛び込んだ男が、チーム初となる黒獅子旗をつかみとった。

 2015年はソフトバンクで12試合に出場。翌年も「クビにはならないだろう」と思っていた。ところがオフにまさかの戦力外通告。そこへ、この日バッテリーを組んだ早大の先輩・佐竹から電話がかかってきた。トヨタで一緒に野球をしないか、との誘いだった。

 断る理由はなかった。さっそくトヨタ投手陣のビデオを何回も見て、各投手の特徴を頭に叩き込んだ。前日(25日)先発した六埜(ろくの)は「投手を乗せるタイプじゃないんです。それより、悪いところをズバッと指摘してくれる。もっと腕を振ってこいよとかです」と感謝した。

 優勝セレモニーの合間、応援に駆けつけた豊田章男社長が細山田に声をかけた。「よくやってくれた」。会社の幹部も「とにかく彼は明るいでしょ。今まで大事な試合になると縮こまっていたチームが、細山田は余裕を持ってリードする。チームの雰囲気をよくしてくれます」と大絶賛した。

 「捕手はあまり褒めてもらえないから、社長に褒められてうれしかったです。細山田を採ってよかったと言われたかったですから」

 全5試合で失点はわずか2。細山田の守りでの貢献は大きい。「これからのトヨタは常勝軍団になって、さすが日本一のトヨタだといわれるチームにしたいし、自分も成長したい」

 社会人1年生。いつも笑顔を絶やさない男が、社会人野球最高の舞台でさらに輝きを増した。 

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2016年7月26日のニュース