巨人GMが視察 高校No.1横浜・藤平を絶賛「完成度高い」

[ 2016年7月26日 05:45 ]

<横浜・向上>5回から救援登板した横浜・藤平

第98回全国高校野球選手権神奈川大会5回戦 横浜2―0向上

(7月25日 相模原)
 高校No・1右腕に熱視線が注がれた。巨人・堤辰佳ゼネラルマネジャー(GM=50)が25日、相模原で行われた全国高校野球選手権大会の神奈川大会5回戦の横浜―向上戦を視察。今秋のドラフト1位候補の一人としてリストアップしている横浜・藤平尚真投手(3年)を自らの目でチェックした。巨人は現在、藤平ら8選手をAランクと評価。今後は高橋由伸新監督(41)の下で再建を目指すチームにフィットする逸材を絞り込んでいく。

 蒸し暑さが残る相模原球場のバックネット裏。5回、待ちかねた藤平がマウンドに上がると、堤GMは食い入るように投球を見守った。

 「できれば見たいと思って来た。元々評価が高い投手。評価通りだった。レベルが高い。こういう投手はそうたくさんいるわけじゃない」

 公式戦の休養日とはいえ、異例の編成トップの視察だった。昨年5月に就任した堤GMが、高校野球を視察するのは初めて。さらにこの日集まった7球団のうち最多の6人態勢で、高校No・1右腕のマウンドさばきをチェックする力の入れようだった。藤平は自身最速の153キロには及ばなかったがMAX146キロの直球に、スライダーの制球の良さを披露。堤GMは「逆球が少ない。狙ったところにきちんと投げられて完成度も高い」と生で見た金の卵の能力の高さを改めて絶賛した。

 巨人は1月、今年最初のスカウト会議でドラフトの目玉である創価大の156キロ右腕・田中ら7選手をAランクとしてリストアップ。そこに藤平の名前はなかった。だが、春季大会などを経て評価を上げ、6月17日の2回目のスカウト会議では2人が外れ、桜美林大・佐々木千、明大・柳とともに新たに8人のAランクに浮上した。その際、山下哲治スカウト部長は「夏を過ぎてBからAの評価になる可能性のある高校生はいるけどね」と説明したが、藤平は急激に評価を上げた一人。Aランクの高校生は履正社の左腕・寺島と2人だけで、さらに編成トップが直接視察した事実は藤平への関心度の高さとも言える。

 リーグ2位ながら投打に新たな戦力の台頭が遅れ、現在、首位・広島と10ゲーム差と苦しい戦いが続く巨人。編成のバランスを見極めながら、今秋のドラフト戦略を練っていく。藤平について「これからも見ていかなければならないですね」と、球団としてマークを続ける意向を示した堤GM。26日からは広島との首位攻防3連戦を迎えるが、来季以降への備えにも全力を傾けている。

 ◆藤平 尚真(ふじひら・しょうま)1998年(平10)9月21日、千葉県生まれの17歳。小1から野球を始め、千葉市シニア時代は2年春に全国大会優勝。3年秋にU―15日本代表入りした。横浜高では1年秋からエース。今春関東大会で準優勝に導く。変化球はスライダー、フォーク、チェンジアップ。家族は両親。1メートル85、83キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2016年7月26日のニュース