【石川】星稜 因縁の小松大谷戦“9回裏なし”勝利

[ 2016年7月26日 06:14 ]

<小松大谷・星稜>試合後に健闘を称え合う星稜・虎谷主将(右から3人目)ら両校ナイン

第98回全国高校野球選手権石川大会準決勝 星稜8―4小松大谷

(7月25日 石川県立)
 9回。裏の攻撃はなかった。宿敵・小松大谷を破った星稜ナインは、整列を急いだ。

 2年前の決勝では9回に8点差を大逆転サヨナラ勝ち。昨夏準々決勝では3点リードの9回に4点を奪われ、お返しされた。3年連続での因縁の対決。1年時からレギュラーを張る虎谷主将は「周りの方はそういう意識があったと思うが、自分たちにはなかった」と淡々と振り返った。今夏4試合、相手に一度もリードを許さず決勝進出。「今年は逆転の星稜ではなく、圧倒の星稜でいきたい」と胸を張った。

 4回に2戦連発となる先制の左越え2ランを放ったのは2年生捕手・川岸だった。中学3年時に、あのミラクル逆転劇を生観戦し「みんな笑顔でやっていた。星稜で野球がやりたいと思った」。4番に座る寺西も2年生。OBの松井秀喜氏は根上中の先輩でもある。1メートル91、92キロのゴジラ級の体格から5回に左翼線に流し打つ決勝二塁打、6回にも右翼線を破るタイムリーを放ち「強い気持ちでいった。恩返しの気持ちも込めた」。右ポケットには両親にもらったお守りを忍ばせていた。

  林和成監督は9回2死から2点を返され、過去のシーンが「ちょっと頭をよぎった」というが、「選手は落ち着いていた」と成長に目を細めた。3年生20人を中心に決めた今年のスローガンは「感動」。冬場に1日1400スイングをこなしてきた星稜ナインは、ライバルの分まで感動を与える野球を貫く。(川島 毅洋)

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2016年7月26日のニュース