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アピール続ける福島出身の楽天・横山、阪神・歳内 節目の年に飛躍を

楽天・横山(左)と阪神・歳内

 11年3月11日午後2時46分、福島支局に勤務していた記者は福島市内の自宅にいた。とてつもない揺れと津波、そして原発事故――。あれから5年がたち、今年の3月11日午後2時46分。ロッテ―西武戦の取材で訪れていたQVCマリンの記者席での黙とう中に当時の記憶がよみがえり、涙がこみ上げてきた。

 プロ野球界にも東北出身やゆかりのある選手は多い。私が福島支局時代に取材した2人の投手も、被災地への思いを胸にオープン戦でアピールを続けている。楽天の3年目投手、横山は福島県浪江町出身。3月3日に久しぶりに食事に出かけることになり、昔話に花が咲いた。翌4日の西武とのオープン戦(倉敷)でリリーフとして1回をパーフェクトに抑えた。オフシーズンのトレーニングの成果で体が一回り大きくなっており、球の力が格段にアップしていた。

 浪江町は福島第1原発にもっとも近いところで約4キロの場所に位置しており、原発事後発生後はしばらく立ち入ることすら出来なかった。沿岸部で津波の被害もあり、中学時代に所属していた双相中央シニアの監督だった渡辺潤也さんが津波で命を落とした。「まだ(浪江町の)実家には帰れていません。震災が終わっていないことを、身をもって実感しています」と被災地を思う気持ちは強い。

 阪神の5年目・歳内は、中継ぎとして昨季29試合に登板。MAX150キロの直球と鋭く落ちるフォークを武器にする本格派右腕で、期待を集める「若虎」だ。出身は兵庫県尼崎市だが、高校は福島の強豪・聖光学院に進んだ。幼少期に阪神大震災も経験。11年夏には被災地・福島の期待を一身に背負って甲子園に出場した。

 3月8日の西武とのオープン戦(甲子園)にリリーフで登板して1回をこちらもパーフェクト。試合後に食事をしながら「もうあれから5年なんですね。福島での3年間は自分の原点ですから」としみじみ語る表情は、高校時代のあどけなさがすっかり抜けていた。

 横山も歳内も聖光学院時代に甲子園の大舞台を経験し、プロの門を叩いた。2学年先輩の横山はよく「歳内、頑張ってますね」と後輩の近況を気にしており、後輩の歳内も先輩の投球結果をいつもチェックしながら「この前、横山さんも抑えていましたね」と話すなど、リーグ、球団は違えど互いに刺激を受けあう関係だ。

 2人の共通する思いは「東北への恩返し」だ。そして「今年が勝負の年」と口をそろえた。未曽有の被害をもたらした大震災から5年。節目の年に若き右腕たちが大きく飛躍してくれることを願ってやまない。(記者コラム・重光 晋太郎)

[ 2016年3月15日 08:00 ]

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