侍J坂本 大会1号!超美技も「世界に日本の野球は強いと」

[ 2015年11月9日 05:30 ]

<日本・韓国>6回1死、坂本は左越えソロを放つ

プレミア12予選ラウンドB組 日本5―0韓国

(11月8日 札幌D)
 インコースのさばき方は超一流と評される侍ジャパン・坂本らしい一撃だった。3―0の6回1死。左腕チョン・ウラムの内角直球を腕を畳んで左翼ポール際に運んだ。新設された「プレミア12」の記念すべき大会第1号が貴重な追加点となった。

 「自分自身、初めての韓国戦ということで緊張していたが、世界に日本の野球は強いということを見せる第一歩。その試合で本塁打も打てて、凄くホッとしている」

 代表合流から「絶不調」と打撃の状態に悩んできたが、稲葉打撃コーチから「テークバック時に体が凝り固まって、バットが出てこなくなっている」と指摘を受け、下半身と連動する形でゆったりとトップをつくり、さらにグリップの位置を下げて楽に構えるように修正。6日のプエルトリコとの強化試合(ヤフオクドーム)で2安打した勢いを持ち込んだ。

 08年北京五輪準決勝で8回2失点と抑え込まれた左腕・金広鉉(キム・グァンヒョン)の攻略にも大きな役割を果たした。150キロ前後の直球に加え、右打者の膝元に食い込んでくるスライダーが最大の武器。イメージを膨らませるため、今大会前にアテネ、北京五輪で主将を務めた宮本慎也氏からスコアラー陣に「日本の○○タイプと伝えたら」と助言があり、金広鉉=日本ハム・吉川と例えられた。さらに試合前ミーティングで「ベルトより高めを打つ。低めは我慢」と意思統一され、それを実践。1点を先制した直後の1死満塁で目付けを上げ、高めの直球を右犠飛とした。

 遊撃の守備でも8回1死一、二塁で中堅へ抜けようかという打球をダイビングキャッチ。「(打球方向の)データがあまりない中で、バットにボールが当たる瞬間に、集中力を保ち続けた結果」と勝負の分岐点となったビッグプレーに胸を張り、小久保監督も「素晴らしかった」と称えた。

 13年WBCのオランダ戦で日本人初の満塁弾を放つなど、国際大会で“持ってる男”坂本が打線をけん引する形で、右打者7人でチーム全12安打。今季は巨人で4番を張った坂本が、侍ジャパンの攻撃的2番を担う。 (東山 貴実)

 ▽坂本の13年WBCでの本塁打 3月10日の2次ラウンド2回戦・オランダ戦(東京ドーム)、7回にとどめの左越え満塁弾を放ち、16―4としてコールド勝ちを決めた。侍ジャパンはこの勝利で、準決勝進出一番乗り。大会記録に並ぶ6本塁打が飛び交った乱打戦のトリを飾り、真ん中高め138キロを豪快に中段まで運んだ。

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