阿部 復活V打!今年初観戦の家族の前で「最高です!」

[ 2015年8月12日 05:30 ]

<巨・D>3回2死二、三塁、中前2点適時打を放つ巨人・阿部

セ・リーグ 巨人2―1DeNA

(8月11日 東京ドーム)
 お立ち台に上がる前だった。巨人・阿部はスタンドにいた最愛の家族に向かって左手のファーストミットを振り続けた。

 「最高です!」。決めゼリフで東京ドームに集まった4万5222人の大観衆を沸かせた。

 「いい集中力だった。それだけです。とにかく打てる球を何とかしようと思った」。3回2死二、三塁。久保に2球で追い込まれたが「追い込まれてからの方が集中力が高まった」。その言葉通り、7球目の外角シュートを逆らわずに中前へ運び、先制2点打。6回にも左前打を放ち、9試合ぶりのマルチ安打もマーク。自らのバットでチームの連敗を4で止めた。

 この日は悠夫人と3人の子供が今年初めてスタンドで観戦。3歳の長男は今年から幼稚園に入園した。長男が生まれてからは「物心がつく頃までは第一線で活躍していたい」が口癖だ。家族の前で7月7日のヤクルト戦(東京ドーム)以来の決勝打を放ってみせた。

 8月は試合前の8試合で打率・125。前日、野手陣の休日返上練習ではただ一人、早出特打を敢行し、体が早く開いていたフォームを修正した。適時打は体の開きを我慢したからこそ球を呼び込んで食らいつけた。「強引になりすぎている部分があったので反対方向を意識したらいい結果になった」と振り返った。

 原監督は「はね返すパワーが少し出てきた気がする。いいきっかけにしてほしい」と復活に期待を込めた。阿部はベンチ裏へ下がると、笑顔を封印。「ここからは結果オーライでも結果(が必要)だと思う。それを求めてやったところが抜け出して勝つわけだから」とすぐに次戦に目を向けた。(青木 貴紀)

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2015年8月12日のニュース