関東第一オコエ 衝撃甲子園デビュー!“プロより速い”俊足見せた

[ 2015年8月12日 05:30 ]

<関東一・高岡商>3回、右中間に三塁打を放つオコエ

第97回全国高校野球選手権大会2回戦 関東第一12―10高岡商

(8月11日 甲子園)
 衝撃の甲子園デビューだ。2回戦4試合が行われ、今秋ドラフト1位候補の関東第一(東東京)・オコエ瑠偉(るい)外野手(3年)が初回に「ツーベース内野安打」を放つと3回には49年ぶり大会史上2人目となる1イニング2本の三塁打を記録。「チーター」の愛称にたがわぬ常識外の韋駄天(いだてん)ぶりを発揮して3安打4打点の活躍でチームを勝利に導いた。創設100年を迎えた夏の甲子園にナイジェリア人の父を持つ新たなスピードスターが誕生した。
【試合結果 日程】

 その姿はまるで、草原を駆け巡るチーターだ。オコエが走る、走る。長いストライドでベースを蹴るたびに、甲子園はどよめき、そして沸いた。

 「距離は長ければ長いほど得意。二塁打はトップスピードに乗る前に二塁ベースに着いちゃうので、三塁打が一番速い」

 初回にいきなり観衆の度肝を抜いた。外角直球を叩いた打球が一塁手を襲う。打球がミットをはじいたのを見ると、迷うことなく50メートル5秒96の快足を飛ばして二塁を陥れた。東東京大会決勝・日大豊山戦での「中前ツーベース」に続く、驚がくの「ツーベース内野安打」で二塁到達は7・73秒。だが、生後7カ月で独り歩きした生来の脚力のハイライトは3回だった。

 先頭で右中間を破ると、二塁ベースの内側を蹴って鋭角に回ると、直線的に加速度を増して、最後は跳ぶように滑り込んで三塁打。東東京大会全6戦が人工芝の神宮球場だっただけに「この夏初めての土のグラウンドで歩幅が合わずに遠めからのスライディングになった」と苦笑いしながらも、三塁到達は10・88秒。さらに打者一巡した2死満塁から再び右中間を破り、今度はスタンディング三塁打だ。

 「オーバーランを大きくすることを意識している」と言うが注目すべきはその到達タイムだ。プロ野球では二塁打での二塁到達は8・29、三塁打での三塁到達は12・29を切れば俊足と評され、実際、西武・金子侑、日本ハム・西川らの二塁到達は7・86秒。三塁到達は西武・秋山の11・03秒、中日・大島の11・11秒がトップクラスでオコエは現時点で既にプロ球界を代表するスピードスターを上回っている。

 もっとも守備面では、4回2死満塁で中前打を処理した後に、三塁ベンチに飛び込む大悪送球。遠投120メートルの強肩が暴発し「やっちゃいました」と舌を出したが、走攻守にオコエ劇場だった。

 乱打戦を制しての初戦突破。それ以上に安どしたのが罰ゲームの回避だ。大阪入り後にコーチ陣から「2安打以上打てなかったら」という条件で、宿舎にあるピアノで「ねこふんじゃった」を演奏することになっていた。結果は、猫ではなく計8塁打のベースを踏み、「少し練習していたんですが、これでやらなくて済みます」。この時ばかりは18歳のあどけない表情を浮かべた。 (東山 貴実)

 ◆オコエ 瑠偉(おこえ・るい)1997年(平9)7月21日、東京都東村山市生まれの18歳。名前の「瑠偉」は、サッカー元日本代表のラモス瑠偉氏に由来。小1から東村山ドリームで捕手として野球を始め、東村山六中時代は東村山シニアに所属。高校通算36本塁打。将来の夢はメジャーリーガー。好きな言葉は一心不乱。1メートル83、85キロ。右投げ右打ち。妹の桃仁花(もにか)さんは明星学園(東京)2年生で、今夏の高校総体女子バスケットボール4強。

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