“神の足”巨人・尚広「最高だね」4番で19年目初サヨナラ打

[ 2015年7月31日 05:30 ]

<巨・D>9回、サヨナラ打を放った鈴木(中央)は菅野(左端)らナインにもみくちゃにされる

セ・リーグ 巨人2-1DeNA

(7月30日 京セラD)
 「神の足」がバットで決めた!巨人・鈴木尚広外野手(37)が30日、DeNA戦で同点の9回2死一、二塁から中前へプロ19年目で初のサヨナラ打を放った。前夜サヨナラ本塁打を放った亀井義行外野手(33)が8回に負傷。その代走で出場していた「4番」の劇的一打にナインも大興奮だった。チームは3連勝で貯金を2とし、首位・阪神に0・5ゲーム差。DeNAには前半戦最後に同一カード3連敗を喫したが、きっちりそのお返しをした。

 19年目で初めて味わう感動だった。走塁の神様・鈴木がプロ入り初のサヨナラ打。歓喜のウオーターシャワーで髪を濡らしながらナインと抱き合い、まるで優勝を決めたかのように長野と片岡に胴上げされた。

 「最高だね。(胴上げは)良い後輩に恵まれてうれしいです」

 1―0の9回2死から同点に追いつかれ、その裏の攻撃は2死一、二塁。「4番」には、負傷した亀井の代走として途中出場していた鈴木が入っていた。直前の坂本は、当然のごとく敬遠された。「僕のところに回ってくると思った。変に気負わず(気持ちは)走塁と一緒」と冷静に打席に立つと、「速い球を一発で仕留めようと思った」とエレラの高め150キロ直球を詰まりながら中前へ落とした。今季4本目の安打が連夜のサヨナラ勝ちに導く一打となり、37歳は「良い詰まり具合だった」とおどけた。

 盟友の思いも背負っていた。6月に矢野が日本ハムにトレード移籍。2歳年下の後輩とは13年間、巨人で苦楽をともにし、プライベートでも仲良くしてきた。移籍後、東京ドームに置いてあった矢野のバットをもらい、打撃練習で使うようにした。「これは形見なんだ」。巨人時代に「代打の神様」と称された矢野の勝負強さが乗り移った。

 今年は19年目で初めて球宴にも出場した。2試合とも盗塁を決めて大歓声を浴び「最高だった」という。実は球宴に選ばれた両軍野手33人の中で、鈴木だけ打席に立たなかった。全セの原監督からは「尚広らしくていいんじゃないか」と言われ2人で笑い合ったが、この日は違った。延長も見据え、代打を送らずに鈴木を信じて打席に向かわせた指揮官は「打席数は少ないけど、キャリア、強さが出ましたね。見事ですね」と称え、鈴木も「初もの尽くしで良いんじゃない」と笑った。

 8回無失点の好投が報われ、一緒にお立ち台に上がった菅野も「絶対に決めてくれると信じていた」と感謝。鈴木は「前回からいい投球をしていたので、何とか勝ちたいという思いが強かった」と振り返った。

 今季3度目の同一カード3連勝を飾り、今季のDeNA戦は8勝8敗の五分に戻した。12泊13日の長期遠征を6勝3敗で終え、本拠・東京ドームに戻る。足ではなく、バットで脚光を浴びた鈴木は「東京ドームの大声援の中でプレーできることを幸せに感じて、4連勝、5連勝と目指していきたい」と大阪のファンに力強く誓った。 (青木 貴紀)

 ≪G最年長は39歳2カ月≫プロ19年目の鈴木(巨)が自身初となるサヨナラ安打。入団18年目でサヨナラ安打を初めてマークした例としては、川又(中)が96年8月15日のヤクルト戦、福地(ヤ)が11年10月9日の広島戦がある。また、鈴木は現在37歳3カ月。巨人で初サヨナラ安打の最年長は56年6月28日大洋戦で南村が記録した39歳2カ月。鈴木は年齢ではそれに次ぐ遅咲きになった。なお、鈴木の殊勲安打は09年8月5日広島戦で延長12回に同点本塁打を放って以来6年ぶり。

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