ロッテ いい!デウンで6連勝 3位争いついに0差

[ 2015年7月31日 05:30 ]

<ロ・西>投球練習の手を止めて真っ赤な花火に見入るイ・デウン

パ・リーグ ロッテ2-0西武

(7月30日 QVC)
 全身から湧き出てくる高揚感が、自慢の直球に乗り移った。ロッテの「イケメン韓流右腕」イ・デウンは初回2死三塁のピンチを招いた。打席は本塁打トップの中村。2ボール2ストライクからの5球目は、外角へズバッと決まった。見逃し三振。来日最速の155キロを計測した。奪三振ショーの幕開けだった。

 「久しぶりの先発だったので、気分がウキウキした。意識はしていなかったけど、いっぱい三振が取れてよかった」

 4回には中村、メヒアから連続三振を奪い、4回まで1安打で8奪三振。この回を投げ終えてベンチに戻ると、伊東監督から「三振にこだわるな」との指示が飛んだ。すると、カットボールなど変化球主体に切り替え、5回以降に奪った三振は2個。「剛腕」と「軟投」の2種類の投球術を使い分け、7回2安打無失点、来日最多の10奪三振の快投でチームトップの9勝目を手にした。

 待ちに待った先発復帰戦だった。開幕から先発で6勝を挙げたが、打線の援護に助けられた白星が多かった。防御率は4~5点台を行き来し、6月3日の阪神戦(甲子園)を最後に中継ぎ転向を命じられた。「悔しい気持ちはあった」。首脳陣に何度も先発復帰を願い出て、落合投手コーチから「防御率が3点台になったら先発に戻す」との約束を取り付けた。中継ぎ14試合目となった25日の楽天戦(コボスタ宮城)で1回2/3を無失点。防御率3・93として「ノルマ」を達成した。

 それまでの速球に頼った力任せなスタイルは卒業した。「変化球をうまく投げながら状況に応じた投球を中継ぎで覚えた」。カーブでカウントを取り、フォークで三振の山を築いた。この日、チームは同じ韓国出身のメジャー通算16勝右腕・ベク・チャスンを獲得。期するものもあった。

 チームは1年2カ月ぶりの6連勝。3位・西武とはゲーム差がなくなり、最大7あった借金も1に減らした。「やっと自分の力でチームに貢献できた。これから投げる試合は全部勝てればいい」とイ・デウン。CS圏を射程に捉えたロッテの先発陣に、一皮むけた助っ人が戻ってきた。 (重光 晋太郎)

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