イチ 新天地開幕は父の心境、若き同僚は「可愛くてしようがない」

[ 2015年4月7日 05:30 ]

開幕前日の記者会見で笑顔を見せるマーリンズのイチロー

 父の心境で開幕――。今季からマーリンズに移籍したイチロー外野手(41)は5日(日本時間6日)、開幕前日の記者会見を行い、メジャー15年目で新たな感情が芽生えていることを告白した。この日発表されたブレーブス戦の先発メンバーに名前はなかったが、第4の外野手として準備は万端。平均年齢27歳の若いチームで「センセイ」と慕われるレジェンドは、新天地の雰囲気を楽しみながらスタートを切る。

 南国マイアミで迎える新シーズン。会見の席でその楽しみを聞かれたイチローは柔和な表情を浮かべて、こう言った。

 「とにかく可愛い子たちが集まっている。年齢差もあって、可愛くてしようがない感じですよね、みんな。この時点で、こんな気持ちになることは今までなかった」

 野手ではメジャー現役野手最年長の41歳で、ほとんどが10歳以上年下。昨季64盗塁の1番ゴードンに至っては、名クローザーだった父親と対戦している。息子を見つめる父のような心境か。その上で「この春のキャンプでいろいろ考えましたけど、今までの僕の経験の中で…」と言った後、約8秒の間を置いて「ベストかもしれないですね」と言葉を続けた。

 6週間に及んだキャンプ生活。昨季まで2年半在籍したスター軍団のヤンキースとは何もかもが違った。26歳の二塁手ゴードンや、昨季ゴールドグラブ賞を初受賞した23歳の左翼手イエリチは、背番号51をお手本として積極的に話し掛け、24歳の中堅手オズナは親しみと尊敬の念を込めて「センセイ」と呼ぶ。

 米スポーツ史上最高額の3億2500万ドル(約387億円)で13年契約を結んだ25歳のスタントンは、入念に準備する姿をじっと見つめた。将来のスーパースター候補について、イチローも「スタントンという選手は感情が見えない。でも、絶対に人は悪くないということが分かって、とても興味深い」と観察する。

 チームには変化が生まれた。同じくヤ軍から移籍してきたプラードが説明する。「最初はみんなイチローの準備を見て驚いていたが、今では理解して続こうとしている。正しい方向に向かっている」。この日の開幕前日練習では、レギュラー外野手3人がイチローと同様に100メートルの遠投を初めて行った。41歳は「この段階では、チームとしていい空気が出来上がっている。僕には経験がないことなので驚いています」とも言った。

 マイク・レドモンド監督が発表した開幕オーダーに名前はなかった。2年連続の先発落ちだが、初のナ・リーグでは投手への代打や代走、守備固めなど、求められる役割は多い。そのための準備も万端。キャンプ中は2度の休日に自宅の下見も兼ねて本拠マーリンズ・パークで練習しており「(この日は)3回目なので明確にイメージできている」と言った。

 メジャー通算3000安打にあと156本。チームの一体感は新たなモチベーションとなる。開幕への特別な思いを聞かれたイチローは「愚問中の愚問ですね。聞くまでもないという感じですね」と笑った。

 ▽イチローの昨年の開幕前日会見 敵地ヒューストンでアストロズ戦を前に会見。ケガを除けば、オリックス時代入団1年目の92年以来のスタメン落ちに「毎日やっていくことに変わりはない。どこかで(準備する)気持ちを切らせてしまえば本当に切れてしまう可能性がある。そこは大事にしたいし、それをしない僕は僕ではない」と控えからのレギュラー奪取に固い決意をのぞかせていた。

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