さすが「新・代打の神様」3タテも3位転落も関本が阻止打!

[ 2014年8月25日 05:30 ]

<広・神>8回1死満塁、関本(左)は適時二塁打を放ちガッツポーズ

セ・リーグ 阪神8-2広島

(8月24日 マツダ)
 阪神の「新・代打の神様」こと関本賢太郎内野手(35)が24日、広島戦の8回1死満塁から左中間へ決勝の2点二塁打を放った。負ければ3位転落だったチームは今季27度目の逆転勝ちで、連敗を2でストップ。中日に敗れた首位・巨人とのゲーム差を「1・5」に縮めた。26日からの敵地での直接対決3連戦で一気の首位浮上を狙う。

 窮地でこそ力を発揮するのが、「神様」たるゆえんだ。負ければ3位転落、今季初の同一カード3連敗の崖っ縁。ネガティブなフレーズばかりが脳裏をよぎった終盤8回に、関本が大仕事をやってのけた。

 「押し出し四球もよぎったんですけど、押し出しだと1点しか入らない。2点欲しかったので、積極的に行って良かったです」

 出番は伊藤隼の押し出し四球で2―2の同点に追い付いた直後、8回1死満塁で巡ってきた。はやる気持ちを抑え、慎重にボールを見極めた。3ボール1ストライク。マウンド上で今にも泣きだしそうな中崎とは対照的に関本は「絞りやすくはなりましたね。(中崎は)もともと真っすぐのピッチャーだし」と冷静だった。

 5球目、狙い通り高めの148キロ真っすぐを痛烈に打ち返した。白球は左中間の真ん中で弾む2点適時二塁打。勝ち越しの一撃に、ベース上で何度も手を叩いた。前夜は7回2死満塁で凡退してヒーローになり損ねたが、これで今季の満塁では8打数3安打の打率・375。「取っておきがね。一番いい形でつないでくれた。さすがだね」。和田監督もうなった勝負強さは、ここぞの一番で健在だった。

 阪神一筋でプロ18年目。26日に36歳となる。代打稼業の難しさは結果を出すことだけではなく、コンディションづくりにもある。今季から新たな試みを採用。自ら担当コーチ、トレーナーに頼み、瞬発系の特別メニューを依頼した。メニューが書かれたA4用紙を眺めることから始まる一日。この日の試合前には外野付近で、70メートルほどのダッシュを何度も繰り返した。

 今季リーグ最多、27度目の逆転勝利で、巨人とのゲーム差は1・5に接近。あす26日からの敵地3連戦へ向け、首位浮上への挑戦権も手に入れた。「最後、みんないい形でヒットが出たし、いい気分で東京ドームへ行けると思う」。文字通りの天王山。猛虎が誇る代打の神様には、その頂が視界に入っていた。

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2014年8月25日のニュース