大阪桐蔭大乱打戦制した!PL以来29年ぶり準決勝15点

[ 2014年8月25日 05:30 ]

<大阪桐蔭・敦賀気比>4回裏2死三塁、森は右越え2ランを放つ

第96回全国高校野球選手権大会準決勝 大阪桐蔭15―9敦賀気比

(8月24日 甲子園)
 準決勝2試合が行われ、大阪桐蔭は敦賀気比(福井)との雨中の打撃戦を制した。初回に5点のリードを許しながら、森晋之介外野手(3年)の2ランなど3本塁打を浴びせて逆転に成功。15―9で振り切り、2年ぶり4度目の優勝に王手をかけた。三重のエース左腕・今井重太朗投手(3年)は日本文理(新潟)を相手に甲子園初完封。同校初、県勢としては55年の四日市以来59年ぶりの決勝進出に導いた。25日の決勝は午後1時から行われる。

 初回に5点を奪われながらも、ベンチに戻った大阪桐蔭ナインには笑みがあった。「どう話すか」。頭を絞った西谷浩一監督は「打たれ過ぎやろ」と冗談めかして語り掛けた。その言葉で、より気楽になった強力打線の猛反撃が始まった。

 打線を引っ張ったのは5番の森だ。初回、1番の中村主将が先頭打者本塁打で勢いを付け、なおも1死二、三塁から一塁線を破る2点二塁打で2点差に迫った。そして、2回に峯本の2ランで追い付き、再びリードを許して迎えた4回だ。正随の右中間三塁打で2点を勝ち越し、なおも2死三塁。森は甲子園初アーチを右翼席に叩き込んだ。

 「最高です。最高の一瞬でした。きょうのホームランが(人生で)一番です」。3安打でチーム最多の5打点。15得点で敦賀気比との打撃戦を制する立役者となった。

 森晋之介。2年前の春夏連覇のバッテリー、藤浪晋太郎(現阪神)と森友哉(現西武)の名が1字ずつ入る。武士のような勇ましい名前だが、6月の紅白戦で右手首に死球を受け、感覚が狂った。上体が前に突っ込み、体が開く。悪癖の修正に役立ったのが、1年先輩の森の練習法だった。下半身にゴムチューブを巻き、小さなゴム球を太腿に挟む。「もっと下半身を使え」――。先輩の言葉を思い出して打ち込んだ。藤浪が愛用していた炭酸入りの入浴剤も「継承」し、疲れを癒やした。

 準決勝での15得点は85年に清原、桑田のKKコンビを擁したPL学園以来29年ぶり。くしくも大阪桐蔭は85年のPL学園以来となる3年連続出場の大阪代表だ。連覇が懸かった昨夏は3回戦敗退。秋の府大会は4回戦で履正社に1―13の5回コールドで敗れ、センバツ出場の道を断たれた。過去2年のような注目度もなく、冬場は夏だけを見据えて打撃を徹底的に鍛え直した。3安打3打点の3番・香月は「隠れてやっている感じ。はい上がってきた」と胸を張った。

 これまで春夏の甲子園大会では4度決勝に進出し、いずれも頂点に立った。昨夏、先輩の森でもつかめなかった頂点へ。後輩の森は「スターはいませんが、一つになったら勝てる」と力強く言った。

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2014年8月25日のニュース