8年前、夏の甲子園沸かせた「2世スラッガー」山本武白志、現在は…亡き父・功児さんへの思い

[ 2023年5月27日 14:00 ]

2015年夏、3本塁打を記録しこの年の“甲子園ホームラン王”の称号を手にした山本武白志さん
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 プロ野球・元DeNAの山本武白志さん(25)が、28日午後7時から放送されるTBSの特別番組「THEプラチナリスト~スターが生まれた伝説の名簿~」に出演する。高校野球ファンを沸かせた2015年夏の甲子園から8年、現在の様子と当時の思いや、亡き父で元ロッテ監督・山本功児さん(享年64)との思い出を語る。

 同番組は、タレントのヒロミと中居正広がMCを務める人気特番の第2弾。日本中を沸かせた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝に貢献した大谷翔平選手や村上宗隆選手さえも高校時代に手にすることができなかった偉業「夏の甲子園ホームラン王」にフォーカスする。過去約40年分をリストアップし、彼らのその後の人生を追う。

 山本さんは、九州国際大付3年だった2015年の夏に3本の本塁打を放ち、現ロッテ・平沢大河内野手とともに、この年のホームラン王に輝いた。

 この年のドラフト会議で、育成ドラフト2位でDeNAに入団。結果を残せず、18年シーズン後に退団した。19年5月にはクリケットに転向し、20年には日本代表強化選手団に初選出された。

 栄光を手にした甲子園から8年がたった現在、25歳になった山本さんは、現在は沖縄のゴルフ場でキャディーとして働いている。身長187センチメートル、体重100キロの体格は健在。番組の取材に、当時と変わらぬはにかんだ笑顔で応じた。

 山本さんは、元ロッテ監督で16年4月に死去した故山本功児氏の長男。父の影響で野球を始めた。父と同じプロ野球選手を夢見て、頭角を現した。自身が小学5年生のとき、父が慢性心不全で入院。「死ぬかもしれないというところで怖かったし、ショックでした」と当時の思いを振り返る。

 息子との練習を何より生きがいにしていた功児さんは、心臓にペースメーカーを入れるのを「練習ができなくなるから」という理由で断った。自分の命よりも息子との練習を優先したことを母から聞き、「甲子園に出て、プロになる姿を絶対に見せる」と決意。この強い思いが、甲子園での活躍につながった。

 父と戦友だった元DeNA監督・中畑清氏は「甲子園でホームランを打った時、功児さんの映像が映っててくるというか…親子の絆でここまで野球をやらせたんだって。夢を見たよね」と回顧する。

 「プロ野球選手になる」という父との夢をかなえた半年後、功児さんは64歳で天国へ旅立った。山本さんは「甲子園に出て活躍して、親孝行ができたかな」と吐露。そして、「“山本功児の息子”と言われることを、僕は誇りに思っています。次のステージで活躍する姿を見てほしいなと思っています」と、今後の新たな夢を番組に語った。

 番組では山本さんのほか、過去40年をさかのぼり、各年の「甲子園ホームラン王」の現在と当時の思いを紹介する。

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