たいしたもんじゃ! 広島・黒原が堂々プロ初先発 新井監督に「ナイスボールと言っていただいた」

[ 2023年5月27日 06:30 ]

セ・リーグ   広島6―4ヤクルト ( 2023年5月26日    マツダ )

<広・ヤ>力投する先発の黒原(撮影・奥 調)
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 2年目でプロ初先発した広島・黒原拓未投手(23)が魅力十分な投球を披露した。26日のヤクルト戦で3回1/3を3失点でプロ初勝利には届かなかったが、村上を内角真っすぐで打ち取るなど相手中軸を無安打に抑え6三振を奪った。チームは序盤の6点を守り切り勝率を5割に戻した。

 4回途中降板という現実以上に今後に希望を抱かせる初先発だった。2年目左腕の黒原は、最速148キロを計測した真っすぐを軸に6三振を奪うなど持ち味も存分に示した。

 「3回までは真っすぐもしっかり投げ切れた。1軍では(先発は)初めてで緊張もあったが、今日で感覚や雰囲気は分かった。この経験は次に生かしていきたい」

 初回、先頭の太田に初球を中前打されサンタナにはフルカウントから左前打で無死一、二塁。だが、ここから本領発揮した。山田には徹底して内角を攻めカットボールで空振り三振。村上は内角への144キロ速球で力ない二飛に仕留めると5番・オスナはチェンジアップで空を切らせた。2、3回も走者を許したが攻めの投球を貫き無失点でしのいだ。

 暗転したのは4回。1死から安打と四球で一、二塁とし代打・西浦に中前適時打を許すと3巡目に入った太田に内野安打で満塁とされ、サンタナに左前に2点打を浴びたところで降板となった。

 「カットボールなど軸になる変化球が外れて苦しくなった。試合の中で修正し、また、別の球で組み立てていけるようにもしていきたい」

 3回1/3での降板に、新井監督は「こっちで状態を見ながら判断しようと思っていた」といい、続けて「いい球がいっていた。マウンド上で躍動感があった。いきなり(初回の)一、二塁となったが、その後もストライク先行で勝負できていた。そういうところを評価したい」と若き左腕の長所だけを見た。

 2年連続で開幕1軍入りしたが、4月21日に出場選手登録を抹消された。首脳陣の方針で救援から先発に配置転換され、新たなチャンスをつかんだ。

 「(監督には)ナイスボールと言っていただいて、うれしかった。期待に応えたいので、次はもっと長いイニングを投げきれるようにしていきたい」

 チームが勝ち、勝率5割に復帰したことで報われた。次こそ自分の番――。気持ちを切り替え、力強く、次回の雪辱に闘志を燃やした。(長谷川 凡記)

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