楽天・浅村 再出発弾 “昇格”今江打撃コーチにウイニングボール

[ 2023年5月27日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天4―3日本ハム ( 2023年5月26日    楽天モバイル )

<楽・日>8回、浅村が逆転2ランを放つ(撮影・篠原 岳夫)
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 楽天は26日、浅村栄斗内野手(32)が8回に決勝の8号2ランを放ち、日本ハムに4―3で逆転勝ちし、連敗を5で止めた。最下位に沈むチームは試合前、2軍の今江敏晃内野手(39)を1軍に配置転換するなどコーチ陣を入れ替え。巻き返しへ緊急人事を施し、再出発を期した一戦で、力強いリスタートを飾った。

 浅村の耳にベンチから響く今江打撃コーチの大声が届いた。「思い切っていけよ」。1点を追う8回無死一塁。伊藤のカットボールを振り抜いた打球が左中間席に届くと、普段はクールな主将は、一塁を回ったところで何度も雄叫びを上げた。「キャラじゃないし、後悔しています」。ここ5試合で19打数1安打と振るわなかったが、主将としてチームの連敗を止めたことがうれしかった。再出発を期す一戦の意味を誰よりも理解していた。

 試合前から重たいムードに包まれていた。低迷のテコ入れ策として球団は1、2軍打撃コーチの配置転換を発表。だが初回から3点のビハインドを背負った。盛り返したのは、今江コーチの「好球必打」の指示だった。5回2死一塁から山崎の中越え二塁打、小深田の中前2点打はいずれも2球目を叩いたものだった。

 「声がガラガラになった。でもこれだけは“お願いします”と言ったから」。選手たちから届けられたウイニングボール、今江コーチは大事そうに握りしめた。石井監督も「今日はみんな生まれ変わるというか、ベンチで必死にやっていたし、その姿勢は出せたと思う」と振り返った。

 チーム打率・210、総得点125は依然リーグワーストで、借金9の最下位に沈む。「最後にようやく仕事ができた。これをいいきっかけにしたい」と浅村。バットがチームの勝敗に直結する宿命にも「それだけ評価してもらってここまでやってきたので、つらいという思いはあまりない」。まだ残り101試合、諦めないチームの姿勢を主砲のバットが代弁した。(伊藤 幸男)

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