大学時代の恩師・佐藤総監督 桐敷に激怒した2年の春 野球人生を思っての采配に応え、成長してくれた

[ 2023年5月27日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神2―1巨人 ( 2023年5月26日    甲子園 )

新潟医療福祉大時代の桐敷
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 阪神・桐敷の新潟医療福祉大時代の恩師・佐藤和也総監督は「緊張で映像を見られなかった。(初勝利に)泣けたよね」と感慨に浸った。

 在学中、一度だけ桐敷に激怒したことがある。2年春に4年生エースの故障もあり、リーグ戦で先発の一角を任せたものの炎上が続いた。

 「ようやく投手陣の中心になるチャンスだったのに、“自分なんかそんな器じゃない”というようなピッチングだった」

 一度突き放すほど厳しく接したが、それでも関甲新学生リーグ1部残留をかけた関東学園大との入れ替え戦で中継ぎとして起用。「勝負ってなんでもそうだけど、しっかり準備して絶対勝てるようにしたとしても、どこか一回は五分五分の勝負を渡る必要があると思っている。彼は入れ替え戦でそこを乗り越えられればいい人生になるだろうなと、ダメだったらダメだなと。そのぐらいの気持ちでマウンドに送った」。今後の野球人生を思っての覚悟の采配に桐敷が応え、つかみとった一部残留。「そこから自主的に取り組んで伸びてきた」と、プロ入りするまでに成長するきっかけとなった。

 「1勝目が一番難しいと思う。だけど、本人がはい上がって、扉が開いたということ。これからが楽しみだし、自分の力を信じてやっていってほしい」

 かつての教え子のさらなる飛躍を、うれしそうに願っていた。(阪井 日向)

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