阪神・吉野誠スカウト 桐敷を指名リストに挙げ続けた理由と、今春に感じていた一皮むけそうな兆し

[ 2023年5月27日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神2―1巨人 ( 2023年5月26日    甲子園 )

21年11月、仮契約交渉を終え、吉野スカウト(左)から帽子をかぶせてもらう桐敷(球団提供)
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 阪神・桐敷を担当した吉野誠スカウトは、制球力にほれ込んでいた。

 「大学時代の桐敷は、ホームベースを“ハの字”に使うような投球をしていた」

 直球で両サイドを突けるだけでなく、チェンジアップやスライダーでホームベースをかすめるようにしてカウント稼げる投手は、アマチュア球界には珍しかった。新潟医療福祉大2年から注目し、練習視察のために都内から定期的に新潟市へ足を運んだ。

 球速を課題にして他球団の評価が割れる中、指名リストに挙げ続けた。プロに欠かせぬ能力を「球速はプロに入ってからでも伸びる。制球力があれば困らない」と位置付けていたからだ。結果的に球団が3位で指名。見込みどおりに昨季、1軍で3試合に先発し、2軍ではフル回転した。

 節目で連絡し、プロ生活の相談相手も務める。今春キャンプでは、一皮むけそうな兆しを感じていた。「(右足を踏み込んだ後に)打者に対して早く体を正対しないという取り組みをしていた」。投球の“間”ができ出どころが見づらくなれば1軍でも通用するはず。予感が一つ形になり、「無事これ名馬じゃないけど、ケガがないように」と、改めて息の長い活躍を願った。

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