【広澤克実氏 直撃キーマン(上)】阪神・糸原は明大魂胸に 代打からのスタートも「スタメン狙っていく」

[ 2023年3月1日 07:30 ]

広澤克実氏(右)と対談した阪神・糸原(撮影・岸 良祐) 
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 阪神・糸原健斗内野手(30)が、明大の大先輩・広澤克実氏(60=本紙評論家)と対談を行った。新たに岡田彰布監督(65)が指揮を執る今季は「左の代打」を任される。勝負どころでの「価値ある一打」を誓う一方、あくまで先発出場を追い求め、不屈の精神でシーズンに挑む決意も口にした。大学時代、糸原が広澤氏から打撃指導を受けていたこともあり、対談中は、当時さながらの熱いコーチングを受ける一幕もあった。(取材・構成=畑野 理之、八木 勇磨)

 広澤 今季から岡田監督に代わったけど、これもプロ野球だよな。監督が代わるとチャンスをもらえる人もいれば、反対にチャンスがなくなる人もいる。でもそんなことは気にせずに、自分の実力さえ上がれば、絶対またチャンスはある。活躍して、また地位を確保すればいい。もしかしたら、糸原は今季、頭からの出場じゃなく、代打っていう話もチラホラ聞こえてくる。

 糸原 キャンプが始まる前というか、昨年から岡田監督が「(選手を)固定する」と言っていたので、そういう(代打になる)覚悟はちょっとあった。でもいつ誰がケガをするか分からない。任せられた時に、しっかり結果を出せるように、準備だけは怠らずにやっていく一年にしよう、と思っていました。最初は代打かもしれないですけど、チャンスがあったら、スタメンも狙っていきたいなと思っています。チームに貢献できるようにやるだけ。一生懸命頑張るだけですね。

 広澤 「左の代打」はすごく難しいポジションだよな。チャンスで行く場面も絶対多いだろうし、得点機で右投手が出てきたら、糸原が1番手で出ていくことになる。

 糸原 でも、そこで打ったら価値を上げられる。勝負強さを見せつければ“試合の最初から使うか”となるかもしれないので。与えられたところで、一試合でも多くチームの勝利に貢献できるように、一生懸命やるだけです。

 広澤 監督の思う通りにいかないのがシーズンだよ。まだまだ若いんだから!4打席立つリズムと代打で行くリズムが違う、みたいなことを言う選手もいる。もちろん糸原も4打席立つ準備をすると思うんだけど、昨季の代打成功率が2割強(※1)。やっぱり代打は難しいよな。

 糸原 今はそうですけど、シーズンは長いですし、チームで何が起こるかも分からない。広澤さんもさっき言われたように、やっぱり4打席立つ準備をした上で、(代打は)その中の1打席目だと思って臨みたいです。4打席の1打席目(の大切さ)というのは絶対みんな一緒だと思うので、レギュラーでも、後から行く場合でも、しっかり1打席目を大事にして、打席に入っていこうかなと思います。

 広澤 代打になると、糸原の打撃スタイルは変わりそう?

 糸原 自分が回の先頭で出ていく代打だったら、今まで通りのスタイルで、粘りながら出塁することを考えます。チャンスで代打となると、積極的に相手の決め球だったり(自分の得意な)ゾーンだったりを狙っていこうかなと。1球目から打ちにいくこともあると思います。

 ※1 10度の代打起用で9打数2安打、敬遠1の打率.222、打点0だった。

 (下)に続く

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2023年3月1日のニュース