西武・光成でCS残った ノーノー“ポンセヘア”で8回1失点11勝「新しいスタイルです」

[ 2022年9月21日 05:10 ]

パ・リーグ   西武4―1楽天 ( 2022年9月20日    ベルーナD )

<西・楽>8回、浅村(左)を併殺打に仕留めガッツポーズする高橋(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 初めて長髪を後ろで縛ったのは、西武・高橋にとって験担ぎだった。いつもは獅子のたてがみのようになびかせているが、結んで鳥の尻尾のようにした。チームの今季最長タイの7連敗を止めるためノーヒットノーランを達成した日本ハム・ポンセにあやかり「まねした。新しいスタイルです」と説明した。

 「自分が絶対止めるぞという気持ちでマウンドに上がった。やっぱり勝つというのは特別ですし、うれしい」

 「イヌワシ」を狩った。母が美容師で長髪にこだわりを持つポンセの剛腕が乗り移った。8回。最後の打者・島内にこの日最速の152キロを2球投じた後に打ち取った。負ければ優勝の可能性が完全消滅していたが8回1失点で自己最多タイの11勝目だ。前日まで2連投した守護神・増田が休養でベンチを外れる中で130球の熱投。CS進出を争う3位・楽天に1ゲーム差として踏みとどまった。

 験担ぎをしまくった。前日は自宅のトイレ掃除をし「運気を高めてきた」という。球団OBのブルージェイズ・菊池も、エンゼルス・大谷も花巻東時代に率先して行っていた。心と体とともに、寮周りを整えて野球に取り組んできた。自身も前橋育英時代には地域の清掃活動に参加。2年時に優勝した夏の甲子園では、朝から宿舎の周りのごみ拾いも行ってきた。掃除こそ「原点回帰」でもあった。

 例年は夏場以降にバテていたが、今季は8月から9月にかけて自身4連勝も飾った。エースは「一つ一つ勝って、一つでも上にいけるようにみんなで頑張りたい」と言葉に力を込める。泣いても笑っても、残りは5試合。最後までCS争いは続きそうだ。一緒にお立ち台に立った金子が「左翼から長いなーと見ていた」と笑わせた髪をまた鳥の尻尾のように結び、次戦に向かう。(神田 佑)

続きを表示

この記事のフォト

2022年9月21日のニュース