広島・栗林 回またぎでまさか2失点 痛恨1敗の佐々岡監督「2イニング目を行かせた僕の責任」

[ 2022年9月21日 04:45 ]

セ・リーグ   広島3―5中日 ( 2022年9月20日    マツダ )

<広・中>延長11回2死満塁、ビシエドに三塁適時内野安打を浴び、降板となる栗林(左)(撮影・坂田 高浩)
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 広島は20日の中日戦に競り負け痛恨の1敗を喫した。8回から勝ちパターンの救援2人を回またぎさせたが、最後は守護神の栗林が力尽きた。初回にマクブルームが一時逆転となる17号3ランを放ちながら、失策や走塁死などミスを連発して流れを手放した。連勝は2で止まり5試合を残して勝率5割以下が確定。阪神と同率の4位に転落し、巨人に3位浮上を許した。

 栗林でさえも、重苦しい雰囲気をはね返すことができなかった。今季2度目の回またぎに向かった同点の延長11回2死一、二塁。大島を申告敬遠で歩かせて勝負を選択した岡林に、カットボールを左翼線へ運ばれ決勝打を許した。6月26日以来、登板21試合ぶりの失点で4月2日の中日戦以来となる2敗目。阪神とともに4位に転落した佐々岡監督は「あそこは、もう栗林しかいないということで回またぎをさせた。2イニング目を行かせた僕の責任」と頭を下げるしかなかった。

 8、9回を矢崎、延長10、11回を栗林と「勝ちパターン」の2人が回またぎをした。それは、負の流れを食い止めるための苦渋の選択だった。初回の守備では、マクブルームがなにげないけん制球を捕球できず、小園は平凡なゴロを取り損ねる。この2失策は先制点に直結した。3―1の4回で九里が押し出し四球を与えるなど8投手が計11四死球を与えるなど締まりのない展開が続き、指揮官は「攻める気持ちは大切だけど、結果を見ればもったいない」と指摘した。

 さらに「ノーアウトだったので無理する必要はなかった」と振り返るのは3回の攻撃。無死一塁でマクブルームが放った投手強襲の内野安打の間に、一走の西川が三塁のベースカバーが不在と判断して三進を狙い、憤死した。6回無死一塁では磯村が送りバント失敗(記録は捕邪飛)し、直後に控えていた「代打の切り札」松山の起用を諦めるなど得点を奪えなかった。結局、初回のマクブルームの3ラン以降、10イニング連続で無得点に終わった。

 勝ちパターンの矢崎、栗林を阪神との直接対決前に疲弊させ、白星まで取り逃がした。指揮官は「もう残り5試合。切り替えて一戦必勝でいくしかない」と逆転でのクライマックスシリーズ進出圏内の3位に向け、気丈に振る舞った。矢崎、栗林は、21日の阪神戦もスタンバイさせる予定。5試合を残し、崖っぷちに追い込まれた。(河合 洋介)

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2022年9月21日のニュース