オリ・吉田正 飛ぶ鳥落とすV弾 高校の先輩・内海譲りの「準備」で2戦連発 逆転連覇へ「勝つだけ」

[ 2022年9月21日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス6-3ロッテ ( 2022年9月20日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>ヒーローインタビューを終え笑顔で手を振り引き揚げる吉田正(撮影・会津 智海)
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 秋の珍事に見舞われても、オリックスの勢いは止まらない。吉田正の集中力も、途切れなかった。3―3と追いつかれた直後の8回先頭。カウント1―1からの3球目、西野の甘く入ったスライダーを強振。右中間席に放り込んだ2年連続4度目の決勝20号ソロだ。

 「良いスイングができました。1球で仕留められて良かったです」。6回には鳥の群れが襲来するハプニングが発生。21分間にわたり中断したが、主砲の一撃でZOZOマリン7連勝を飾り、得意の敵地で“トリ”こぼさなかった。中嶋監督からも、「勝負どころで集中力を上げられるのは、さすがですし、頼もしい」と称えられた。

 豪快なフルスイングに目を奪われるが、入念な準備こそ大事にする。19年の国際大会「プレミア12」の台湾・台中での台湾戦にDH出場した時のこと。イニング間のたび、ベンチ裏の球場通路に作られた簡易プレス席に、廊下で何度もダッシュを繰り返す吉田正の足音が響き渡っていた。

 「野球は打つだけでは駄目。守って走る。そうすることで下半身が使える。DHの時は、どうしても下を使う感覚が鈍る。準備しておかないといけない」

 それは、11歳上の左腕から学んだ姿勢でもあった。母校・敦賀気比の先輩で、今季限りで現役引退する西武・内海は、コロナ前まで宮崎での春季キャンプで食事をごちそうになるなど公私で慕った。「準備の大切さだったり、見てきました」

 4連勝で今季最多貯金10。首位・ソフトバンクを追走しゲーム差なしの2位を維持した。「勝つだけです」と吉田正。頼れる主砲が逆転連覇への道筋を示す。(湯澤 涼)

 【鳥絡み過去の中断アラカルト】
 ☆渡り鳥襲来 76年6月4日の南海―太平洋戦(大阪)の6回、数十羽の鳥の群れが球場内を旋回。午後8時26分からナイター照明を消して追い出し、試合が約8分間中断した。他に71年4月29日の広島―中日戦(広島)なども渡り鳥襲来で中断を経験。
 ☆魚が落下 16年5月8日の阪神―ヤクルト戦(甲子園)の6回裏の阪神の攻撃中、外野芝生に異物が落下。鳥が落としたとみられる約25センチの魚の死骸で、数分後に阪神園芸の職員が除去。死骸は鳥が吐き出したものと推測され、スタンドのファンからは「犯人はカラス」との目撃談も。
 ☆降雨中断中に鳥襲来 17年8月30日の楽天―西武戦(Koboパーク宮城)の8回裏開始前に降雨のため中断。同時に鳥の群れがグラウンドに現れ、小雨になった後も旋回。照明を消して花火を鳴らすなどし、58分の時間を要した。同球場では今年9月1日にも鳥の襲来を受けた。

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