黒岩敏幸氏 森重は持っている力を出し切ったが…最後の20メートル修正すれば金も

[ 2022年2月13日 05:30 ]

北京冬季五輪第9日・スピードスケート男子500メートル ( 2022年2月12日    国家スピードスケート館 )

スピードスケート男子500メートルで銅メダルを獲得した森重(AP)
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 【スピードスケート斬る・黒岩敏幸】森重は持っている力を出し切った。フライングによるやり直しがあった中で100メートルで9秒63は想定内。バックストレートでも氷を捉え、アウトから相手をしっかり追えていた。惜しかったのは最後の20メートル。少し顎が上がって上体が高くなった。ああいう部分を修正できれば、優勝した高亭宇との0秒17差は縮められる。

 1年前は本人も五輪の舞台に立つとは考えていなかったと思う。代表に入って新浜や村上と一緒に滑ることで刺激を受けて急成長。あの2人がいなければ銅メダルはなかった。スタートが課題で最初の100メートルは9秒8ぐらい。それが安定して9秒6を出せるようになり、本人も“氷に力が伝わっているのが分かる”と感じている。

 ラスト3組で村上は直前に整氷が入り、新浜と森重はスタートのやり直しがあった。短距離はデリケートな競技で選手は嫌なもの。「ひょうひょう」という言葉が当てはまるか分からないが、そういう状況で冷静にいつもの滑りをしたのが森重だった。18日の1000メートルでも思い切り突っ込んで、行けるところまで行ってほしい。(92年アルベールビル五輪男子500メートル銀メダリスト)

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2022年2月13日のニュース