IOC古参委員がロシアの五輪“一時退場”を提言。妥協は「ワニの餌になるようなもの」

[ 2022年2月13日 16:50 ]

<北京五輪 フィギュア練習>リンクを引き揚げるワリエワ(撮影・小海途 良幹)
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 フィギュアスケート女子でドーピング違反が判明したカミラ・ワリエワ(15、ロシア・オリンピック委員会=ROC)の件に関連し、国際オリンピック委員会(IOC)で最古参のディック・パウンド委員(カナダ)がロシアに対して五輪からの“一時退場”を求める発言を行った。カナダの公共放送CBCが12日に報じた。

 パウンド氏はロシアが過去に組織的な検査データ改ざんや隠蔽工作を行いながら、個人資格での出場が認められたという経緯を踏まえ「ROCとして出場を認めたアプローチは寛大過ぎたかもしれない」と指摘。「問題を解決するまで1回か2回、あるいは3回、タイムを取らせるべき」と語り、一時的にロシアを五輪から締め出すべきとの認識を示した。

 ロシア反ドーピング機関(RUSADA)はワリエワに暫定資格停止処分を課しながら本人の異議申し立てを受けて処分を解除。これを不服としてIOC、世界反ドーピング機関(WADA)、国際スケート連盟(ISU)が提訴し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)による北京五輪出場可否の裁定が14日午後に下されることになっている。

 未成年のワリエワによるドーピング違反は組織的な関与の可能性が報じられ、パウンド氏は「どうすれば彼女をリスクにさらすことができたのか?汚染されたサプリメントを服用したわけでなく、効力がある薬物を治療以外の目的で使用している」と指摘。問題が繰り返されることに「ロシアは全く反省しない。彼らは何も認めないし、全ての決定に不服を訴えてくる」と強い不信感を示した。さらにロシアにドーピング問題の解決を迫ることは「ワニに餌を与え、自分が最後の餌になることを願うようなもの」と表現した。

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2022年2月13日のニュース