黒岩敏幸氏 後半強い小平と高木美帆 スタートダッシュが決まるか 最初の100メートルが勝負のポイント

[ 2022年2月13日 05:30 ]

調整する小平奈緒(共同)
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 【今日のツボ教えます スピードスケート女子500メートル・黒岩敏幸】スピードスケート女子500メートルは13日に行われる。前回金メダリストの小平奈緒(35=相沢病院)、この種目五輪初出場の高木美帆(27=日体大職)に表彰台の期待がかかる。92年アルベールビル五輪男子500メートル銀メダリストの黒岩敏幸氏が占った。

 今季前半戦の小平は決して万全の調子ではなかった。昨季まで股関節を痛めていた影響もあったのだろう。W杯8戦で優勝は1回。2位に大差をつけて勝ち続けた平昌五輪のシーズンのような圧倒的な強さはなかった。

 4年前との大きな違いは最初の100メートルのタイム。平昌五輪(36秒94)では10秒26だったが、今季の前半戦は10秒5台がほとんどで、0秒2~3落ちている。スタートをどこまで戻せるかが一つの鍵だ。

 事前の練習を見る限り、スタートの動きはかなりスムーズになっていた。平昌五輪の時も調子が悪かったスタートを直前の練習で修正して、レースに合わせている。シーズン前半よりは確実に速く入れると思う。第2カーブからの伸びは平昌五輪の時よりもいい印象で、残り400メートルに関しては問題はない。メダル圏内の力は十分にある。スタートが決まれば、金メダル争いもできるだろう。

 高木美は平昌五輪以降、瞬発系のトレーニングにも力を入れ、500メートルも強化してきた。小平同様に最初の100メートルが勝負のポイントだ。以前はスタートで大きく遅れたが、昨年12月の代表選考会(37秒58)では10秒51で入っており、短距離専門の選手と遜色ないレベルになっている。残り1周の滑りはトップクラスだ。

 金メダルを逃した1500メートルの後、1日休んで再開した練習では吹っ切れたようで、動きは良かった。100メートルをしっかり10秒5で入れば、後半の強さを発揮して表彰台のチャンスは十分ある。(92年アルベールビル五輪男子500メートル銀メダリスト)

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