小林陵侑の弟・龍尚手記 4きょうだい全員社会人ジャンパー 陵侑は競技に向き合う姿勢や技術が凄い

[ 2022年2月13日 05:30 ]

北京冬季五輪第9日・ジャンプ男子個人ラージヒル ( 2022年2月12日    国家ジャンプセンター )

小林陵侑から譲り受けたヘルメットを手にする弟・龍尚
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 全員ジャンプ選手の小林4きょうだいの末弟・龍尚(たつなお、20)が札幌市内の自宅で兄の潤志郎、陵侑に声援を送った。個人ノーマルヒルで日本勢24年ぶりの金メダルを獲得した陵侑と同じ土屋ホームに所属し、兄の背中を追いかけてきた。スポニチに陵侑の凄さを、家族として手記を寄せた。

 苦手なノーマルヒルで金メダルを獲得し、ラージヒルは楽しみにしていました。五輪で2つ目のメダルは本当にうれしく思います。

 陵侑は競技に向き合う姿勢や技術が凄い。技術的に注意して見ているのはアプローチのポジションと飛び出し。かなりレベルが高いと思います。踏み切りの時に凄く前に出ていて、スローの映像で見ると上に踏んでいる。上に踏んでいるのに前への推進力が凄い。僕もまねをして上に飛び始めてから前に進んでいる感じがあります。

 きょうだいの仲はとてもいいと思います。潤志郎の家には多い時で週2、3回行きます。ジャンプの話はほとんどしませんけど。昨年10月には札幌の大会の後、家族全員でお寿司を食べに行きました。忙しいので全員で会うのは年1回くらい。みんな楽しそうでした。その時は陵侑さんのおごりでした(笑い)。

 両親にはみんなとても感謝しています。小さい頃、ゲームは買ってもらえなかったけど遠征は北海道や長野など、どこへでも連れて行ってもらいました。凄くお金がかかったと思います。僕と陵侑はお下がりの道具を使えたけど、潤志郎と諭果には道具をそろえていました。運がいいことに全員が社会人で飛べている。親にはリスペクトしかありません。

 でもオヤジは寝ている時に理不尽に柔道の寝技をかけてきて、それが体幹を鍛える練習だ!と言ってましたけど、正直みんな嫌でした(笑い)。小さい頃はテレビを見ながらビールを飲み、つまみを食っているオヤジの頭や肩の上に登り、片足立ちさせられました。バランス感覚や体を鍛えることになっていたのかは、分からないですけど、うちのきょうだいは体が柔らかく、ケガをしないというのはあります。

 陵侑が葛西監督から初めてプレゼントされたヘルメットは僕が譲り受けて今も大事に使っています。次のオリンピックは自分も一緒に出ている姿を両親に見せたいと思います。

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