内藤雄士の90切りゴルフ【第11回 ピンに寄る!ランニングアプローチ】

[ 2021年6月18日 12:00 ]

内藤雄士コーチ(左)と野田すみれ
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 第11回はランニングアプローチについてです。内藤コーチによれば、90切りを目指すなら、ミスの少ない簡単なアプローチを身につけておくべきだと言います。ライがよく、ピンまで20~30ヤードくらいの距離があるときこそ、確実に1パット圏内に寄せましょう。そのためにはクラブ選択がポイントになるそうです。元世界ジュニア日本代表で、タレント活動でも活躍中の野田すみれさんがアシスタント役を務めます。

 内藤 ボールは花道にあり、ピンまで20~30ヤードの距離があります。この状況で、野田さんなら、どのようなアプローチを考えますか?

 野田 グリーンまでほぼ平らなら転がしですよね。58度のSWを選んで、ボールを右に置いてロフトを立てた状態で構えます。ハンドファーストのイメージですね。あとは、そのままクラブヘッドを上げて下ろすだけです。

 内藤 どれだけ転がすかによって、ボールを右に置く度合いを変えるわけですね。その打ち方でも問題ありませんが、SWのロフトを立てると、リーディングエッジが地面を向き、クラブヘッドが刺さりやすいんですよ。ボールの手前を少しでもダフるとザックリのミスにつながり、ピンに寄せることが難しくなります。野田さんレベルならまだしも、90切りを狙う人にはザックリしてしまうケースが少なくありません。
 
 野田 確かにそういうミスはよく見かけますね。

 内藤 そこでお勧めなのが、クラブを替えることです。例えば、PWで、先ほどのSWと同じロフトで構えた場合、ボールはもっと内側に移動しますよね?それほどリーディングエッジが地面を向かないので、ソールを滑らせることができます。たとえボールの手前にヘッドが下りても、そのまま芝の上を滑ってボールを拾ってくれるんです。

 野田 ミスがミスにならないわけですね?

 内藤 そうです。しかも、振り幅を小さくできる分ミート率が上がり、よりピンに寄る確率も高くなります。

 野田 打ち方に関する注意点はありますか?

 内藤 SWを使ったときよりもさらにパッティングのストロークに近くなります。握り方は、シャフトの真上に左手親指を乗せること。左手甲がターゲットを向くように、中指、薬指、小指の3本をしっかりと握りましょう。右手を添えるように握ったら、手首の角度を変えずにクラブを上げて下ろします。

 野田 手先でヘッドをコントロールせず、体の回転でクラブを上げて下ろすわけですね。

 内藤 はい。パッティングでも手首の角度を変えずに固定しますが、ほぼそれと同じイメージになります。ただ、パッティングでは顔を真下に向けた状態で肩を動かしますが、ランニングアプローチでは、もう少し上体を起こした形で、バックスイングでは胸を右サイドに、フォロースルーでは胸を左サイドに向ける感じです。

 野田 今まではPWを選択する考えはありませんでしたが、実際に打ってみると簡単にボールをヒットできると思いました。ただ、慣れていないせいか、距離感をつかむのが難しいですね。
 
 内藤 すぐに慣れると思いますよ。実際、振り幅の大きいSWの方が距離感をつかむのは難しいわけですからね。振り幅が小さい分、コントロールしやすいと考えましょう。

 (取材協力・千葉国際カントリークラブ【PGM】)
 
 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

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