服部道子五輪代表コーチ メジャーのワナにはまってしまった笹生選手 河本選手はグリーン周り成長

[ 2021年4月4日 19:27 ]

米女子ゴルフツアーANAインスピレーション第3日 ( 2021年4月3日    カリフォルニア州ミッションヒルズCC=6865ヤード、パー72 )

河本結
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 3日目は強い風が吹いた上に選手のミスを誘うような難しいピンポジションもあり、日本選手のスコアは伸びませんでした。

 河本選手はフェアウエーキープ率が42%と、ティーショットが安定しませんでした。特に終盤の16、17番でのミスはもったいなかった。タフなコンディションに加え、5番で彼女の組にペースアップの警告が出されたことも、集中力をそぐ結果につながった可能性があります。ただ、グリーン周りのアプローチやバンカーショットは昨年の米ツアーの経験が生きていて、とても成長を感じました。ゴルフの内容自体は前週、日本で優勝争いした調子をキープできているので、最終日の巻き返しを期待しています。

 笹生選手はパーオン率が44%と、アイアンの精度に苦しみました。彼女のショットはスピン量が多く高弾道なので、風の影響をまともに受け、縦の距離感が合わない様子でした。ティーショットをグリーン手前の池に入れた14番パー3は、笹生選手の飛距離だと番手はウエッジ。クラブが短い分、ピンを狙いたくなるホールです。本来ならこの日のピンの位置、そして風であれば左奥に安全に打っていくべきでしたが、誘われるように池に入れてしまいました。

 2位に5打差の独走態勢に入ったパティ選手は、一人だけ違うコースを回っているような印象でした。スイングは基本に忠実で、オーソドックスなタイプ。テークバックからフォローまで手が体の正面にいつもあり、ボールを押し込むように打ちます。ボールの接着時間が長く、重い球質のため、飛距離が出る一方で風の影響を受けづらいのが特徴です。第3ラウンドを終え、通算14アンダー、202ストロークは大会の54ホールの最少スコアタイ記録だそうですが、2位との差が開けば開くほど、守りの意識も強くなるので、まだ優勝経験のない彼女が最終日にどんな精神状態で回れるか注目です。(東京五輪日本代表女子コーチ)

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2021年4月4日のニュース