飯田健太郎が初優勝「勝つことに集中」内股封印で世界選手権代表にも初選出

[ 2021年4月4日 19:29 ]

柔道全日本選抜体重別選手権最終日 ( 2021年4月4日    福岡国際センター )

男子100キロ級を初制覇し、初の世界選手権代表に選ばれた飯田健太郎
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 男子の全7階級が争われ、100キロ級は東京五輪代表選手補欠の飯田健太郎(22=旭化成)が5度目の出場で初優勝を果たし、6月の世界選手権(ブダペスト)にも初選出された。

 1回戦は寝技で一本を奪い、準決勝と決勝はいずれも足技で技ありを奪い勝利。男子日本代表の井上康生監督をほうふつとさせる、美しい内股を得意とするが、この日は封印して悲願の戴冠。「得意の内股や大外刈りを意識せず、勝つことだけに集中して臨んだ」と振り返った。

 東京・国士舘高3年だった17年2月のグランドスラム・パリ大会で優勝。センセーショナルなシニアの国際大会初制覇を果たし、東京五輪の星と期待されたものの、ウルフ・アロン(了徳寺大職)に代表の座を奪われた。昨年12月には体重無差別で争われる全日本選手権を同階級の羽賀龍之介(旭化成)が制覇。「危機感を感じた」という所属の先輩の優勝が、自分自身を変えるきっかけにもなった。

 母校・国士舘大の鈴木桂治総監督、吉永慎也監督からは「泥臭く勝ちきることをテーマにやってこい」と背中を押され、この日は丁寧な試合運びを心掛けた。時間や試合展開、指導の有無、相手の動きなどを読み、「柔道が楽しいと感じるのは、内股で投げた時」とまで言う得意技を封印して、泥臭く勝負に徹した。

 この4月に実業団強豪の旭化成に入社。同期は60キロを制した古賀玄暉や81キロ級の藤原崇太郎らで、同時に世界選手権代表に選ばれた。「小さいころから知っている選手たち。同期に負けないように、切磋琢磨(せっさたくま)して成長したい」と飯田。3年後のパリ五輪へ、最高のスタートを切った。

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2021年4月4日のニュース