女子63キロ級・鍋倉 6度目出場で悲願V、初の世界選手権代表選出

[ 2021年4月4日 05:30 ]

柔道 全日本選抜体重別選手権第1日 ( 2021年4月3日    福岡国際センター )

女子63キロ級決勝 延長の末、技ありを奪う鍋倉(右)
Photo By 代表撮影

 女子7階級が行われ、東京五輪63キロ級補欠の鍋倉那美(23=大石道場)が6度目の出場で初優勝を果たし、世界選手権(6月、ブダペスト)代表に初選出された。小学生時代は男子66キロ級五輪代表の阿部一二三(23=パーク24)を何度も破った逸話の持ち主が24年パリ五輪を目指す。その他、48キロ級の角田夏実(28=了徳寺大職)ら、五輪補欠全7人が世界選手権代表に選ばれた。

 1週間前にぎっくり腰を発症し「動けなくて病院に行き、診断書をもらった」と欠場の選択も脳裏をよぎったという鍋倉だが、覚悟を決めて出場。決勝では延長3分すぎに払い巻き込みで技ありを奪った。「自分がパリ五輪代表になる、というスタートラインに立てたと思う」と笑みを浮かべた。

 兵庫県姫路市出身で、小学生時代は団体戦の大会で同学年の阿部と対戦し、6年生で引き分けるまでは毎年勝利した。昨年9月に三井住友海上を退社し、今大会では中学生時代に通った愛知県の名門・大石道場所属として出場。師匠やセコンドに付いた兄・義盛さんらへの恩返しの優勝は、「夢を語っても実績がないと難しい」と語る新たな所属先探しの“名刺”代わりにもなりそうだ。

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2021年4月4日のニュース