大坂なおみ イライラ爆発ラケット投げた蹴った!持ち直してストレート勝ち「ヨネックス、ごめんなさい」

[ 2020年1月23日 05:30 ]

テニス全豪オープン第3日 ( 2020年1月22日    オーストラリア・メルボルンパーク )

女子シングルス2回戦 ポイントを奪われ、ラケットを投げつける大坂なおみ
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 女子シングルス2回戦で世界ランキング4位の大坂なおみ(22=日清食品)は世界42位の鄭賽賽(テイサイサイ)(25=中国)に6―2、6―4でストレート勝ちした。ミスが増えた第2セット途中にイライラが爆発。メンタル崩壊寸前の状態からカムバックする成長した姿を見せ、1時間20分の熱戦を制した。24日に予定される3回戦は世界67位の天才少女コリ・ガウフ(15=米国)と対戦する。

 ラケットを投げつけ、ボールを叩きつけた。揚げ句の果てに、地面に落ちたラケットに強烈なキック。第2セット第3ゲームで先にブレークを許すと、大坂の頭が沸騰した。第5ゲームを再びブレークされると、チーム席に向かって両手を広げて不満を爆発。相手に声援を送るグループの言葉に反応し、スタンドをにらみつけるような一幕もあった。

 心が激しく浮き沈みした。第1セットは第2、6、8ゲームをブレークし、すんなり先取。第8ゲームには「踏みたくなかった」とコート上の虫を拾う余裕も見せた。だが、縦回転の利いた相手のスライスに苦戦してミスが増えた第2セット中盤はご乱心。メンタルは崩壊寸前だったが「足を動かして前に出よう。第2セットを落としても、相手は疲れている。第3セットは好転するはず」と必死に自分に言い聞かせた。

 何とか踏みとどまり、2―4で迎えた第7ゲームのサービスゲームをキープ。そこから一気に4ゲームを連取した。昨季は日本人初の世界ランキング1位に就き、ウィンブルドン選手権では1回戦敗退を経験。それまで話題にならなかった黒星がニュースになり、重圧を感じた。自己分析では昨年全豪前の精神年齢は「3歳」。優勝後に「5歳になれた」と喜んでいたが「最もタフな一年」と振り返る19年を経て、たくましさが増した。

 1回戦で7本記録したサービスエースは一本もなく、凡ミスは相手の20を上回る30を数えた。内容が悪いなりに、耐えて史上9人目の連覇に前進。公式会見では「ラケットは魔法のように手から飛び出し、制御できなかった。少し子供っぽかった。ヨネックス、ごめんなさい。ラケットを投げたり蹴ったりしない試合をしたい」と猛省した。

 過去15度出場した4大大会で唯一4勝8敗と負け越している「鬼門」の3回戦の相手はガウフ。昨年の全米3回戦で快勝したが、勝利だけでなく、15歳の新星のお手本となる大人の振る舞いも求められる。

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