サニブラウン2冠GO!さあ夢の19秒台へ 日本新「出るかも」

[ 2019年6月30日 05:30 ]

陸上日本選手権第3日   男子200メートル ( 2019年6月29日    福岡・博多の森陸上競技場 )

<日本陸上競技選手権大会>男子200メートル予選、20秒84で決勝進出を決めたサニブラウン(中央)(撮影・岡田 丈靖)
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 世界選手権(9~10月、ドーハ)代表選考会を兼ねて行われ、男子200メートル予選は100メートルとの短距離2冠を狙うサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が全体2番目となる20秒84で3組1着となり、30日の決勝に進出した。2度目の短距離2冠達成となれば、1979年の豊田敏夫以来40年ぶり3人目。20秒03の日本記録更新と2度目の2冠に若武者が挑戦する。

 2年ぶり2冠に向けて余裕の予選突破だ。「向かい風が強かった。顔を上げてからキツかったが、スムーズにカーブを回ってこられたのは良かった」。サニブラウンのスタート反応速度は予選3組の中で最低の0秒192だったが、そこからの追い上げは驚異的。コーナーを抜け出したところでは体一つ分リードすると、50メートル付近から力を抜いた。最後はペースダウンしすぎて、後続に抜かれそうにもなったが「(決勝に向けて)体もいい刺激になったのかなという感じ」と泰然自若だ。

 2冠の大本命だが、敵は己の中にあるかもしれない。今大会4レース目を終えて「気持ちは少しハード。(体力は)全米大学選手権よりはましですけど、そろそろ休みたいですね」と初めて弱音が口を突いた。

 大会前は開催期間が例年から1日増えて4日間になったことを体力面で歓迎していたが「1日長いともう一日集中しないといけない。(前回までの)3日間は3日間で良い部分はありますね」と苦笑いする。ただ、200メートルの予選を1レース走ったことでスプリンターとしての本能が再起動した。「100メートルが終わって体が硬くなっていた。1本走って動けました」と話した。

 100年以上の歴史を持つ日本選手権史上、過去に短距離2冠を達成した選手は第1回大会の明石和衛(東大)から数えて前回大会のサニブラウンまで16人しかいない。40年ぶりの複数回の2冠達成の前には雨という不利な条件が立ちはだかる可能性があるが「決勝はもっと速いタイムでいきたい。(2冠と日本記録は)ちゃんとやることをやれば出るのかな?」。末続慎吾の持つ20秒03の日本記録を16年ぶりに更新できるか。サニブラウンは虎視眈々(たんたん)とフィニッシュラインだけを見つめている。

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