貴景勝、一心不乱に白星ゲット 平成ラスト場所で決める!!新元号大関

[ 2019年3月11日 05:30 ]

大相撲春場所 初日   ○貴景勝―妙義龍● ( 2019年3月10日    エディオンアリーナ大阪 )

妙義龍を一気の押しで圧倒した貴景勝(左)(撮影・長嶋 久樹)
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 大関獲り場所の幕開けは圧勝劇だった。関脇・貴景勝が前頭2枚目・妙義龍を寄せつけず、2秒4で押し出して白星発進。大関昇進を懸ける平成最後の土俵で力強い一歩を踏み出した。横綱・白鵬は新三役の小結・北勝富士を突き落とし、横綱・鶴竜は小結・御嶽海に送り出され黒星スタートとなった。

 全てに自信がみなぎっていた。低い立ち合いが持ち味の妙義龍よりも、さらに低く当たって上体を起こし、左へ動く相手を正面から逃すことなく勝負を決めた。先場所痛めた右足裏も「全く大丈夫」と不安を感じさせない完勝ぶり。昇進目安は2桁以上の勝利、そして内容も求められるが、圧巻の相撲でスタートを切り「自分の持っているものを出し切ろうと思った。普通っす」と納得の表情を見せた。

 声援を力に変えた。幼少期から父・一哉さんにボクシング亀田家のトレーニングを参考にした指導を受けていたが、場所前に父・史郎氏と初対面した。同氏のユーチューブを欠かさず見るファンでもある22歳は終始笑顔。食事をしながら熱いトークを交わした。決戦前夜の9日には、焼き鳥店でハート(心臓)の串を持つ同氏から「貴景勝これハートや、明日はハートで行けよ!」と力強い動画のエールが届き、「めっちゃうれしかった」と発奮した。

 この日は母校・仁川学院小の生徒ら約50人が応援に駆け付け、大きな声援をもらった。事前に知らされ、「恥ずかしい相撲は取れないとずっと思っていた」と気合注入。昨年九州場所を制した後には同校を訪問しているだけに、「見に来てくれてガッカリさせたくないと思った」と先輩の意地を見せつけた。

 平成最後の土俵で迎えた大関獲り。“平成の大横綱”と呼ばれた前師匠・貴乃花光司氏の記憶に残る一番のシーンは14年秋場所、当時大関の朝青龍戦だ。ホープを圧倒した大横綱。「どんどんのし上がってきて、師匠が横綱でどうなるのかと思って見た一番が、ああいう感じだったから。格好いいなと思った」。名勝負が繰り広げられた平成史。最後の一ページに22歳の若武者が終止符を打つ。

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2019年3月11日のニュース