福士、転倒棄権から中41日の挑戦でMGC切符獲得「やっと獲ったわ」

[ 2019年3月11日 05:30 ]

名古屋ウィメンズマラソン ( 2019年3月10日    名古屋市・ナゴヤドーム発着 )

8位でゴールし、笑顔を見せる福士加代子。MGC出場権を獲得した
Photo By 共同

 転倒、棄権をした前走から中41日の強行軍で挑んだ福士加代子(36=ワコール)が、9月15日の東京五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権をつかんだ。2時間24分9秒で日本人2位の8位。5度目の五輪へ一歩前進した。MGCシリーズ最終戦で有資格者が5人増え、合計14人になった。ヘラリア・ジョハネス(38=ナミビア)が2時間22分25秒で優勝した。

 強行軍でも福士の力は健在だった。30キロまで先頭集団。その後の給水でレースが動いて「自分の給水を優先し て、そっち(ペースアップ)に反応がいかなかった」と海外勢に置いていかれ、41キロで岩出に抜かれたが、8位。自己2番目の記録の2時間24分9秒をマーク。念願のMGC切符を手にし「やっと獲ったわ。転ばなかったからいけるんでしょう。収穫祭です」とおどけた。

 1月の大阪国際で転倒し、棄権した。永山忠幸監督(59)は、足を止めた35キロで「名古屋へ行くよ」と声をかけ、その場で挑戦が決まった。父・正幸さん(69)は、レース後に娘に対面。「やっちゃったという顔。いつもと同じ」。即座の気持ちの切り替えを感じ取っていた。

 42・195キロを、中41日で走る初の試み。奔放なキャラは初心に帰らんとばかりに、過去の映像を見直した。自身の初マラソンや、アテネ五輪金メダルの野口みずきさんの走りを凝視。刺激を受けた。

 「この人たちにトラックで勝ったよなー。なんでいけねーかなと思って見てましたね。勉強になりました」

 16年大阪国際では好記録で優勝しながら、規定によりリオデジャネイロ五輪代表の即時内定が出なかった。抗議の意味で今大会への出場をぶち上げ、議論を呼んだ。今回は走り、目標をクリア。「マラソンは今年2回目。大阪より落ち着いて走れた」。アフリカ勢との差は顕著ながら、ハード日程を考慮すれば健闘だ。

 陸上女子最多を更新する5度目の五輪出場へ、第1関門を突破した。9月15日の東京五輪代表選考レース「MGC」は、ペースメーカーを置かないガチンコ対決になる。それを福士は歓迎する。「主導権を握って走ったことがないので、やってみたいですね」。トークだけでなく、レースをにぎやかにするのは間違いない。

 ◆福士 加代子(ふくし・かよこ)1982年(昭57)3月25日生まれ、青森県板柳町出身の36歳。五所川原工からワコールに入り、力を付ける。04年アテネから3大会連続でトラック種目で五輪出場。16年リオで五輪のマラソン初代表。3000メートル、5000メートル、ハーフマラソンで日本記録。13年モスクワ世界選手権はマラソンで銅メダルを獲得。1メートル60、47キロ。



 《マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)》

 今年9月15日開催予定の20年東京五輪代表選考レース。女子は国内主要4大会で日本陸連が定めた順位、記録をクリアするか国際陸連公認大会2レースで好成績を収める必要がある。今回の名古屋ウィメンズマラソンは有資格者を除く日本人3位までで2時間28分0秒以内、または同4〜6位で2時間27分0秒以内が条件だった。

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