【玉ノ井親方 視点】貴景勝、ここ一番の集中力 いい緊張感の中で迷わず前に出た

[ 2019年3月11日 09:42 ]

大相撲春場所 初日   ○貴景勝―妙義龍● ( 2019年3月10日    エディオンアリーナ大阪 )

妙義龍(右)を押し出し、白星発進の貴景勝(撮影・中村 与志隆)
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 貴景勝が電車道で妙義龍を押し出した。勝因はもろ差し狙いの相手に、立ち合いで当たり勝ちしたこと。誰でも緊張する初日。しかも今場所は大関獲りがかかっている。いつも以上に重圧があったと思うが、そういう硬さを少しも感じさせなかった。いい緊張感の中で迷わず前に出る自分の相撲を取り切れていた。

 場所前の横綱、大関との稽古ではいいところがなく、圧倒されていた。しかし、貴景勝のここ一番の集中力は凄いものがある。まず、簡単に相手にまわしを許さない。体が丸くて、向こうの顎の下に頭を持っていくから、相手は下から押し上げられる形になり、やりづらいと思う。初日に勝ったことで気分も乗っていくだろう。ただ、まずは一日一番。序盤の5日目までは苦しんでもいいから、自分の相撲を取り切ること。それが一番大事だよね。 (元大関・栃東)

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2019年3月11日のニュース