福原愛さん「3・11」への思い 考え続けた「私に何ができるのか」プレーの変化、引退した今…

[ 2019年3月11日 10:31 ]

福原愛さん
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 卓球女子の12年ロンドン五輪団体銀、16年リオ五輪団体銅メダリストの福原愛さん(30)が11日、自身のブログを更新。東日本大震災発生から8年を迎えたこの日、被災地の出身者として、あらためて「3・11」と向き合う率直な思いや、ブログ投稿にあった心の葛藤などについて記した。

 11年の震災発生後、毎年この日にはブログを更新してきた福原さん。ただ昨年は投稿しなかったことについて「3・11の日じゃなくても心の中では常に想っているのに、ブログを書かなきゃいけないようなそんな風潮に疑問を感じたからです」とつづり、続けて、苦しい胸の内をこうしたためた。

 「毎年同じようなことを書いている気がして、何を書いたらいいかわからなくなりました。ブログを書かないとあの日を忘れられたと思われてしまいそう。でも一体誰のために書こうとしてるのか。偽善者ぶりたいから書いているの?私は忘れていませんよ、というアピール?そんな心の葛藤がありました」。

 被災地・仙台を故郷とする福原さんにとって、この日は「卓球を始めた8月13日と同じくらい大切な日」ときっぱり。「私にとって何ができるのか、ずっと考えてきました」とし、選手時代は「少しでも明るいニュースをお届けしたい」という思いから、自身のプレースタイルも変わったのだという。

 これまでは、相手に戦術をつかまれないよう、あえて捨て試合もつくり次戦へ切り替える作戦もあったというが、「どの部分を切り取ってみても絶対に捨てない戦い方へ。少しでも諦めない姿勢が伝わればとプレーしてきました」とその変化を説明した。

 そして、選手を引退した今「自分に何ができるのか」と福原さん。「被災された皆さんに対して何が必要なのか、私にできることと噛み合わせながら積極的に取り組んで行きたいと思います」と率直な思いを伝え、最後は「東日本大震災だけではなく、熊本地震や北海道胆振東部地震において復興・復旧作業をなさってる皆様、体調に気をつけてお過ごしください。そして被災された皆様がほんの少しでもこころ穏やかに生活できる日が来ることを心よりお祈りしています」と、締めくくった。

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2019年3月11日のニュース