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フランス モヤモヤ首位通過 試合終了間際の同点弾が終了後VARで取り消し

[ 2022年12月2日 02:45 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグD組   フランス0―1チュニジア ( 2022年12月1日    エデュケーション・シティー競技場 )

同点弾を喜ぶグリーズマン(右)だったが…VARで取り消しとなりがっくり(ロイター)

 1次リーグD組の前回王者フランスはチュニジアに0―1で敗れた。終了間際にFWアントワヌ・グリーズマン(31=Aマドリード)が決めた得点が試合終了後に取り消される異例の事態が発生。首位通過こそ決まったが、ポーランドと対戦する決勝トーナメント1回戦に向けて後味の悪さが残った。アジア勢のオーストラリアは1―0でデンマークに競り勝ちD組2位で突破。決勝トーナメント1回戦でアルゼンチンと顔を合わせる。

 後半アディショナルタイム、1点を追うフランスの猛攻が実った。山なりのクロスを相手DFタルビがヘディングでかろうじてクリア。こぼれ球をグリーズマンが右足ボレーで叩き込み、土壇場で同点に追いついた。

 一度はチュニジアのキックオフで再開し、直後に主審が終了の笛を吹いた。ところが、そこでビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入。主審が映像を確認し、グリーズマンがオフサイドだったとして得点を取り消した。その後、ペナルティーの地点から再開されて、タイムアップ。試合終了後にVARが介入するという異例の事態で、前回王者は金星を献上した。

 問題はタルビのクリアが「意図したプレー」か「ディフレクション(選手に当たってボールの方向が変わること)」か。タルビが触った時にグリーズマンはオンサイドにいたが、クリアがディフレクションと判断され、クロスが出た瞬間の位置からオフサイドの反則を取られたようだ。

 VARは前回大会で導入され、今大会からはAIなどでオフサイド判定を補助する「セミオートメーテッド・オフサイド・テクノロジー」も採用。開幕戦でも得点が取り消され物議を醸したが、また騒動に発展した。

 フランスのデシャン監督は「(主審に)聞いたが、答えてもらえなかった。こんなことが認められるのだろうか。皆さんは分かりますか」と不可解な判定に疑問を呈し、フランス協会は抗議文を提出すると発表した。

 フランスは先発9人を入れ替えて、チュニジアに圧倒された。それでもデシャン監督は「相手を過小評価していたわけではない。次戦のことを最優先に考えた。全員の士気を高めることが大事」と多くの選手に出番を与えた意義を強調した。狙い通り主力を温存し首位で突破。しかしチームを勢いづけるはずだった起死回生の同点ゴールは幻となった。

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