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サウジ指揮官「わたしたちは歴史をつくった」 全選手が国内リーグ所属、入念準備で有言実行の大金星

[ 2022年11月22日 23:13 ]

W杯カタール大会1次リーグC組   サウジアラビア2―1アルゼンチン ( 2022年11月22日    ルサイルスタジアム )

アルゼンチン戦で指示を出すサウジアラビアのルナール監督(ロイター)

 1次リーグC組で22日、FIFAランク51位のサウジアラビアが、同3位で優勝候補のアルゼンチンを2―1で破る大金星を挙げた。1点を追う後半に2得点を挙げて逆転勝ち。94年米国大会以来の決勝トーナメント進出へ好発進した。

 9万人近い大観衆が押し寄せたスタジアムがどよめいた。隣国カタールに大挙したサウジサポーターは沸騰。ピッチでは緑のユニホームが体をぶつけ合い、喜びを爆発させた。砂漠のマラドーナと称されたオワイランを擁した94年米国大会以来の1次リーグ突破へ前進。試合前に「誰も我々が勝つと思っていないだろうが、予想を覆すために来た」と宣言していたフランス人のルナール監督は「これがサッカー。わたしたちは歴史をつくった。これが最も重要なことだ」と有言実行の金星を誇った。

 3年前に就任した指揮官は18年ロシア大会でモロッコを率いて1次リーグ敗退。本大会の厳しさを知るだけに、W杯に向けて入念な準備を進めてきた。全選手が国内リーグに所属する利点を生かし「30日以上の準備期間を設けられて、アルゼンチンとは準備段階が違う」と明かしていた。

 アジア予選はボールを支配するスタイルで勝ち抜いたが、9月にシステムを4―2―3―1から4―1―4―1に変更。W杯仕様のリアクションサッカーをつくり上げた。その準備が得点に結びついたのが1点を追う後半3分。狙い通りの速攻からFWシェヘリが左足で同点弾。5分後にはFWのS・ドサリが右足で勝ち越した。

 前半10分にCKの守備でVAR判定によるPKを与えて失点。メッシに決められても崩れなかった。果敢に裏を突いてくる相手を恐れず高いラインを保ち、奪ったオフサイドは10。シュート数は3本。枠内に飛んだ2本がともにネットを揺らした。

 カタールが開催国史上初めて黒星発進し、21日にはイランが大敗。アジア勢が苦戦する中、ビッグサプライズを起こした。

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