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「戦術・三笘」歓迎 希代のドリブラーの決意「言葉以上のプレーをしないといけない」

[ 2022年11月22日 04:30 ]

ボール回しで悔しそうな表情を見せる三笘(撮影・西海 健太郎)
Photo By スポニチ

 日本代表は23日、1次リーグE組初戦として強豪ドイツと対戦する。体調不良で出遅れていたMF三笘薫(25=ブライトン)は20日、合流後初めて取材に応じ、ドイツ戦に100%で臨めることを強調。日本が誇る希代のドリブラーは“戦術・三笘”を自負し、1次リーグ突破の鍵を握る初戦白星へと導く覚悟を示した。

 静かな口調に、自信がみなぎっていた。ドイツ戦を3日後に控え、三笘は言い切った。「ドイツ戦までには100%戻せると思う」。体調不良で合流が遅れ、カナダ戦を欠場して17日にドーハ入り。19日から全体に合流した。一部メニューを回避しており、完全合流には至っていないが、「全然ドイツ戦には間に合います」と再度強調した。きりっと引き締まった目の上に、芝の葉が1枚。練習の激しさを物語っていた。

 「戦術・三笘」を受け入れ、超えていく。6月の代表活動後、森保監督の「彼自体が戦術」発言が大きな話題を呼んだ。力量を認め、さらなる奮起を促す言葉だったが、周囲は「戦術が三笘のみ」と曲解したことがあった。物議を醸した言葉を、25歳は今、前向きに受け入れている。

 「うれしいですし、自分がそういう存在にならないといけないとは常に思っている。自分がそれだけの存在になれればチームとして強みになる。その言葉以上のプレーをしないといけないなと、以前から思っていた」

 昨夏の東京五輪後、J1からベルギー1部、そしてプレミアリーグへと駆け上がった。ドリブルはいつも確かな通行手形だ。プレミア初参戦の今季は、初先発の10月29日チェルシー戦で加入後初アシストを刻むと、5日ウルバーハンプトン戦で初ゴール。続く9日イングランド・リーグ杯のアーセナル戦でも途中出場から決勝点を決めた。昨季のベルギー1部サンジロワーズ時代に40%だったドリブル成功率は、相手がより強豪となった今季、64%まで向上している。

 「フレッシュな状態での1対1は全然、自信あります」。状況が整えば、独特なリズムのドリブルで誰でも抜ける自信がある。もちろん、ドイツ戦も変わらない。「スタメンでも途中でも、出た時にインパクトを残してチームの力になるために頭を整理しないと」。虎視眈々(たんたん)と伝家の宝刀を抜くタイミングを見極める。“ミトマ100%”なら、ドイツ相手でも鮮やかにボールを足さばきの中に隠せる。

 ≪戦術三笘≫☆3月24日アジア最終予選オーストラリア戦 後半39分に投入されると大爆発。44分に中央の折り返しに反応して決勝ゴール。終了間際にトドメの一撃。チームはW杯出場を決めた。

 ☆6月2日国際親善試合パラグアイ戦 左ウイングとして先発し、何度も相手守備網を切り裂いた。後半15分にペナルティーエリア内の左でボールを受け、GKの頭上を越えるループ弾を決めた。

 ☆9月23日国際親善試合米国戦 後半23分から出場し、積極的に仕掛け。何度もドリブルで突破口を開くと、43分には守備2人の間をすり抜け、右足でゴール右隅を射抜いた。

 ≪戦術〇〇≫☆戦術ロナウド(ブラジル) 06年ドイツ大会の日本戦でスタメン出場して2得点し、日本の守備陣を粉砕。バルセロナ時代にはボビー・ロブソン監督が「私の戦術はロナウドだ」とも発言した。

 ☆戦術ドログバ(コートジボワール) 14年ブラジル大会の日本戦で途中出場すると、日本の左サイドを攻略して逆転勝利につなげた。チェルシー在籍時は依存度の高さから「戦術ドログバ」と言われた。

 ☆戦術ハメス・ロドリゲス(コロンビア) 14年ブラジル大会の日本戦で後半から出場。勝ち越し点をアシストするなど1得点2アシストの大暴れで日本側に“クイアバの屈辱”と言わしめた。

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2022年11月22日のニュース