藤井聡太王将 恒例「勝者の記念撮影」はあま~い一枚 川ベリでベリーグッドなストロベリー

[ 2024年1月10日 06:00 ]

那珂川の河川敷に腰掛けて、地元産イチゴを頬張る藤井王将(撮影・西尾 大助、光山 貴大、藤山 由理、大城 有生希)
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 第73期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)で挑戦者・菅井竜也八段(31)に先勝した藤井聡太王将(21)=8冠=が9日、栃木県大田原市で一夜明けの取材に応じた。王将戦恒例、勝者の記念撮影は地元産イチゴの試食。比較的穏やかな内容に胸をなで下ろした。20、21日の第2局は佐賀県上峰町の大幸園での開催。前期、同地では養殖ウナギのつかみ取りに苦戦しただけに、早くも警戒を強めていた。

 天然アユの漁獲量日本一という清流・那珂川の河川敷に腰掛けて、地元産イチゴを頬張った。午前9時、マイナス3度の冷気も、元来暑がりという藤井にはすがすがしかったかもしれない。

 「第1局なので緩めてもらったかなと思います」

 勝者の記念撮影後の取材。笑顔には、第1局の手応えがありそうだ。勝率で劣る後手番。居飛車VS振り飛車、対抗型の相穴熊は振り飛車党の菅井が経験値に勝る。それでもテニスでいうブレークに成功した。眠気も冷気も吹き飛ばす、活力に満ちていた。

 120手で勝利した前夜。中盤は藤井の4枚穴熊に対し、菅井は銀が攻撃参加したことによる3枚穴熊。自陣の耐久力では勝っても、攻め駒不足に悩む時間帯が続いた。「序中盤は(菅井に)内容的にうまく立ち回られた。しっかり振り返る必要があると思う」と慎重に言葉を選んだ。

 菅井がどこへ飛車を振るか。対抗型での主導権は振り飛車側が握りがちだが、居飛車側も「細かい部分で工夫していくべき。序盤から主張を生み出せるようにしたい」。先手番へ移る第2局の留意点を確認した。

 「パイナップルが好きだけどイチゴも好きです。甘みが強く、練乳なしでも食べられました」

 比較的ソフトな撮影に胸をなで下ろしたが、次局は佐賀県上峰町開催。前期、通算100期を懸けて挑んできた羽生善治九段を4勝2敗で退け、連覇を決めた喜びもつかの間、勝者の記念撮影では漆黒の軟体と対面した。

 「捕まえて終わりじゃない。捕まえて撮影できるか?ですから」。羽生、佐藤康光九段、久保利明九段の歴代王将同様、苦戦した。ウナギが波打つ桶(おけ)をのぞき込んで身動きしない。恐る恐る手を出しては逃した。「撮影に30分くらいかかった」。実際は7~8分だったが、その実感が苦心の程を物語る。

 「いただくのはいいけれど、つかむのは…。また捕ることになったら身構えます」。人格的にも王道を歩む絶対王者は嫌とは言わない。同時に、勝たないと依頼がない勝者の記念撮影。「結果次第ですから」。再戦への予防線は張った。

 ≪“藤井を乗せた竜”大田原市役所展示≫9日付の本紙掲載の藤井を乗せた竜が、大田原市役所で展示される。2年前の大田原対局では、藤井が写真撮影のために使った唐辛子の背景が、市内の道の駅や商業施設でフォトスポットとして公開。唐辛子は特産品だが、今回は市とは関係のない竜。だが市の職員は「干支(えと)でもありますし、藤井王将の撮影で使われたもの。新年に縁起がいいなと思いました」と話した。その他、両対局者の色紙や扇子も飾られる。

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