岸井ゆきの感無量 負けたくない気持ち強く 独自スタイル追求「認めてもらった証」

[ 2023年2月15日 05:10 ]

<第77回毎日映画コンクール表彰式>女優主演賞を受賞し笑顔で降壇する岸井ゆきの(撮影・会津 智海)
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 2022年(第77回)毎日映画コンクールの表彰式が14日、東京都目黒区八雲のめぐろパーシモンホールで行われた。聴覚障がいを抱えた女性ボクサーを演じ、女優主演賞に輝いた岸井ゆきの(31)はブロンズ像を手に感無量の表情。スポニチグランプリ新人賞に選ばれた番家一路(12)と嵐莉菜(18)はさらなる飛躍を誓った。

 【女優主演賞 「ケイコ 目を澄ませて」】「ケイコ 目を澄ませて」で女優主演賞の岸井ゆきのは、黒のパンツスーツで登壇し万感の表情。「歴史ある賞でとてもうれしい。スタッフ、キャストが誰一人欠けてもこの映画はできなかった。一緒の舞台に立てて光栄です」と、三宅唱監督ら受賞したスタッフと喜びを分かち合った。

 聴覚障がいがありながらプロとしてリングに立ったボクサー・小笠原恵子さんがモデルの役。だが、プロデューサーらと「自分たちで新しいものを作る」と意思を統一し、撮影前は小笠原さんには会わず著書も読まなかった。約3カ月、ボクシングや手話の練習を重ね「ケイコ」として独自のスタイルを追求した情熱が見事にスクリーンに刻まれた。

 「継続することや、静かに愛することを大事にした映画ですが、圧倒的に負けたくない気持ちがあった。それは私が映画を思う気持ちと似ていて、勝ち負けではないですが、認めてもらった証としてずっと大切にしていきたい」

 小笠原さんとは、映画が完成した時の試写で初めて会い「“自分を見ているようだ”とおっしゃってくださり、ご家族も気に入ってくださった」と笑顔。同作の撮影後も映画、ドラマ出演がひっきりなしに続いており「パブリックイメージは自分では分かりませんが、いろいろな役に挑戦しアプローチしていければ」と意欲を新たにした。 (鈴木 元)

 ≪岸井のパンチに生島ヒロシ感心≫セレモニーは今年も生島ヒロシ(72)とフリーアナウンサーの田村あゆち(50)の息の合ったコンビが進行した。ボクサー役に体当たりし、女優主演賞に輝いた岸井の表彰の際には、生島がステージ中央に歩を進め「僕もボクシングやってるんです。あのミット打ち、よくできましたね。パンチの打ち方が堂に入ってました」と感心しきり。岸井も恐縮していた。

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