40年前の貴重な音源でYMO高橋幸宏さんを追悼 「オールナイトニッポン」特別番組

[ 2023年2月15日 22:46 ]

「オールナイトニッポン」担当当時の高橋幸宏さん
Photo By 提供写真

 ニッポン放送は15日、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のドラマー高橋幸宏さん(享年70)を追悼する特別番組「オールナイトニッポンPremium~高橋幸宏さんを偲んで」(水曜後8・00)を放送した。

 高橋さんは今から40年前、1983年4月から9カ月間、火曜日の25時から「高橋ユキヒロのオールナイトニッポン」を担当。当時の放送音源はニッポン放送に保存されていなかったが、SNSで呼びかけたところ、多くのリスナーから全35回中32回分の貴重な音源が提供された。

 番組では高橋さんと交流のあったさまざまな方からの貴重なコメントも放送したが、当時、ニッポン放送の担当ディレクターだった佐々(さっさ)智樹は、番組に起用した理由について、「YMOって日本のポップグループで世界に羽ばたいた最初のグループ。深夜放送には深夜の若者の独特の文化があった。(高橋さんを起用したのは)ちょっと先に行っているというところと、凄く音楽を大切にしているところ。当時からすると異色かもしれないが、世界に飛び出したミュージシャンをパーソナリティにして、新しい音楽を発信していくのが必要だと思った」と当時を振り返った。

 ディレクターとパーソナリティーという立場で接した高橋の人柄については、「とにかく非常にまじめな人でした。ピュアだし、ストイックで物事に対して真摯に向き合う、感性が鋭い人でした。かっこ悪いことが好きじゃない。細かいところまでこだわっていた。音楽家であり、ファッションデザイナーでもあるので、ものにこだわるところがよく出ていた」と語った。

 番組では、釣り好きの高橋さんのために佐々氏の発案で企画され、伝説の回と言われた1983年7月19日放送の「深夜のアナゴ釣り大会」もオンエア。火曜日の深夜に「チャポチャポ」と釣り船の音ともにアナゴ釣りの模様をオンエアしたこの回は、ニッポン放送社内でも物議を醸したが、アナゴ釣りの船にはテレビの有名プロデューサーやディレクターも同乗していたという。「高橋ユキヒロのオールナイトニッポン」が当時のテレビマンにとっても最先端の「尖った番組」だったというエピソードも明らかにされた。

 番組は最後、1983年12月27日に最後の日本武道館公演の音源とともに4時間スペシャルとして放送した最終回で、YMOメンバーの細野晴臣とYMOを振り返った貴重な音源もオンエアし、幕を閉じた。

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2023年2月15日のニュース